「ハイスクール・ゾンビ・ミュージカル」アナと世界の終わり 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ハイスクール・ゾンビ・ミュージカル
イギリスの田舎町。
女子高生のアナは、バイトしてオーストラリア旅行を計画していたが、父親に反対される。
元カレは未だしつこく色目を向けてくるし、退屈な町や毎日にうんざり。
彼女に仄かな想いを抱く幼馴染みのジョンや友人たちも、各々抱えているものが。
悩みや鬱憤や不満を乗せて、歌い踊る。
♪ここから抜け出さなきゃ
翌朝。クリスマス。
気持ちを切り替えて。ヘッドフォンで音楽を聴きながら、歌いながら登校。
♪新しい日の始まり 人生を変える
そう、何もかも変わっていた…!
のどかな小さな町が大パニック。町の人々が次々襲われる。
ゾンビに!
アナはまだ異変に気付かない。何故なら、ヘッドフォンで音楽を聴きミュージカルしてるから。(って言うか、早よ気付けや…)
一体のゾンビが襲い掛かって来て、やっと町の異変に気付く。
ジョンや友人たちと合流。ゾンビと闘いながら、父親や皆の家族やその他同級生たちが逃げ隠れている学校を目指すが…!?
一昨年はゾンビ×密室列車パニック、去年はゾンビ×意外な展開の映画愛コメディと、毎年何かしら新しいジャンルとミックスして進化していくゾンビ映画。
今年はすでにゾンビ×戦争アクションがあったが、やはり最たるは本作。だって、
ゾンビ×青春ミュージカル!
異色ミックスにも程がある!
とは言え、このユニークな組み合わせが密かに気になってたんだよね。
ゾンビ/ミュージカル双方にズバ抜けた新たな傑作!…とまでは言わないが、面白かった。
宣伝では、『ラ・ラ・ランド』×『ショーン・オブ・ザ・デッド』なんて謳われてるけど、正確には、『ハイスクール・ミュージカル』ミーツ『ショーン・オブ・ザ・デッド』と言った感じ。
怖くはない。けど、笑えて楽しい。
このポップなノリや若者たちのお気楽な明るさやパロディー感が。
根っからのゾンビ映画ファンには不満かもしれないが、これはこれでいい。こういうゾンビ映画があったっていいじゃないの!
シュールでユルいが、ずっとそのままな訳じゃない。
サバイバルのスリルやなかなかのグロもある。
犠牲者も出る。ジョン、最期に男を見せた! 父親との別れはちと涙を誘う。
恐ろしいゾンビ。でも一番恐ろしいのは、高圧的なクズ先生。
…などなど、一応ゾンビ映画のあるあるも踏襲。
楽曲は全てオリジナル。
明るいナンバーもあれば、しんみりナンバーも。
愉快で爽快で感動的でもあって、いずれのナンバーもいい。
個人的には、『スリラー』の如くゾンビと歌って踊るナンバーが欲しかったくらい。
このユニークな作風や楽曲と等しく魅力的だったのが、アナ役のエラ・ハント。
美人でキュートでスタイルも良くて、歌って踊れて♪
全く初めましての娘だったけど、これから気になっちゃう!
想定外の青春と対峙するアナ。
サバイバルの果ては、序盤のナンバーとリンク。
トンデモブッ飛びだが、ある意味、成長旅立ちの青春物語…?
ゾンビ・ホラーと青春ミュージカルが出会って、喰い殺されると思ったら、思わぬ快作!
願わくば続きも気になるが、次はサメ×ミュージカルかな? ピエロ×ミュージカルかな?
近代さんへ
「シャークネード」がミュージカル化されたら、絶対見に行ってしまうと思いますし、「アイアン・スカイ」をロックミュージカルにして、爆音でやってくれたら、個人的には最高にうれしいですw