劇場公開日 2018年10月19日

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「これを是とする危うさ」デス・ウィッシュ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0これを是とする危うさ

2018年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

「狼よさらば」の再映画化らしいですが,その作品を知らないので,比較はできません。本作だけを見ての印象は,つまらなくはないが,それほどおもしろくもないなという感じです。

被害者家族の復讐劇という,非常にわかりやすい設定とストーリーで,序盤からよどみなく展開し,主人公ポール・カージーが父親から死神へと変容していくさまがしっかり描かれていると思います。それだけに,ポールの心情には大いに共感できるし,行動も理解することはできます。

しかし,その是非については,やはり賛同しかねます。「当事者ではないから」と言われればそれまでですが,このような行動を映画で肯定的に描き,あまつさえラストでの一連の事件の収め方には,違和感を超えて危機感を覚えます。せめて,ことの是非を観客に問いかける問題提起ぐらいでとどめておいてほしかったところです。

それにしても,現場に証拠を残しまくっているのに,犯人にたどりつくのが遅いシカゴ警察には,「だから無法地帯になってんだよ!」とツッコみたくなりました。

おじゃる