「もはや単純な勧善懲悪は古臭い。凡庸な作品」デス・ウィッシュ Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
もはや単純な勧善懲悪は古臭い。凡庸な作品
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ブライアン・ガーフィールドの小説を原作とした、チャールズ・ブロンソン主演の"Death Wishシリーズ"5作品の初作「狼よさらば(邦題)」(1974)のリメイクである。
ブルース・ウィリス主演作品だが、さすがに年老いた。こういう役しか、もう回ってこなくなったというべきか・・・なんかパッとしない。
無法地帯になっているシカゴの街で、自警に目覚めた主人公が悪人退治をする。リメイクに際して、スマホを使ったり、合法的な銃の購入ルールを説明したり、一所懸命アップデートがなされているが、オーソドックスで、もはや古くさい展開。
オリジナルでは"設計士"だった主人公の職業が"外科医"に変更されている。オモテの顔は生命を救う使命を持った主人公が、やむを得ない理由で、悪人の生命を奪うというウラの顔を持つ、"必殺仕事人"設定に置き換えている。
"勧善懲悪"のテーマでいえば、デンゼル・ワシントンの「イコライザー」(2014/2018)シリーズの方が、はるかに現代的に洗練されている。もはや「白人=正義、黒人=悪人」という語り口さえも、古くさく感じてしまうのか。
ちなみにそのデンゼル・ワシントンが無名時代にオリジナルの「狼よさらば」に路上強盗犯役でチョイ出演しているというトリビアも。
ヒマだったら観てもいいレベルの凡庸な作品。こういうのが安心して観られるというヒトもいると思うが、新味は全くない。
(2018/10/19/ユナイテッドシネマ豊洲/シネスコ/字幕:種市譲二)
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