15時17分、パリ行きのレビュー・感想・評価
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母親が子を信じる事の意味
役者さんが実は当事者だったと知った時の驚き、もうそれだけで観たくなった。
そして初めての演技とは思えない程の上手さ、これはクリントイーストウッド監督の懐深い見守りの中でこそ。
導かれる事に身を委ねれて発揮されたんじゃないかと思う。
そして母親が息子を心の底から信じて個を尊重する関係性が、大人に成長した後の自分への信頼感に繋がったのか。
何気に描かれていたそこに一番心が揺れた。
主人公達の人間性をとても近距離で感じられるような映像が長い時間あった。対してテロ犯のほぼ何者か分からないような謎に包まれたままの存在との対比が、人間性の善と悪との違いを体感で感じさせられる。
心が震えて久々にパンフレットを買いました。
まさかの本人出演
私は青春ロードムービー系は好んで観るタイプなので、前半の感じも嫌い...
事件のシーンは少ないです
でも、だからこそリアルでした。
楽しい旅行記のシーンが長く続いた後で突然それが起こる…
誰しもテロに遭遇し得るという事と、その瞬間どう行動するか何が出来るかを問いかけたんですよね。
でも他のレビューの方達の言う通り、確かに犯人側の背景描写が皆無でバランス悪くも感じました。
実話に基づくテロ事件。
ピークはCMのそれ
正直に言います。CMのシーンが正直ピークです。クリントイーストウッド作品ということで過剰に期待していました。
実話に基づいたこともありリアルな緊張感(よく言うと)それがリアル過ぎて(本人の方々には申し訳ないが)作品としてはあっさりした事件だったんだなと思ってしまいます。(実話なので大事に至らずに良かったことなのではありますが映画としては…)
パトリオットデイのように犯人側にも視点を向け、テロが起きてしまうその瞬間までをスリリングに描くのかと想像していたが、前半いやほぼ全編3人の旅行記を見させられていた。
作品としての奥深さはなかったかな
3人がナイトクラブで羽目を外してたシーンがむしろむなしく感じるほど災難に見舞われたなぁと…
大変変わった作品である
大スクリーンで観るようなものでなく、どちらかとアート系の映画館で見たほうが楽しさ倍増できるイーストウッドのシネマスクエアとうきゅう路線。それをサスペンスものみたいにして当てようという配給会社の感覚は未来の映画の観客のことを何も考えていない。
作品は既に、というか何作も前から達している極みの上から人間社会をゴーストのように眺めている感覚のまま、淡々と進んで、淡々と終わる。その一瞬、その偶然へのメカニズムというか、運命の歯車を高みからみせる。それを事件の当事者(素人)で。そんなリチャードリンクレイターがやりそうな実験的映画で、もちろん予告のようなエモーショナルさはないが、なぜかそこに大いなるものを感じて人生、というか、この世界、を感じる。
イーストウッド作品は色々観ましたが…
あるアメリカ青年の青春映画と思った方が良い
本作品、テロに命をかけて立ち向かった勇敢なアメリカの青年のお話と言う事になっていますが、ある意味、それを期待すると裏切られてしまう映画かな・・・・
本作品を言い表すと「あるアメリカ青年の青春映画」と宣伝した方がいいのかな・・・
肝心なテロのシーンや、ある意味ハラハラドキドキするするシーンも殆どなく、あるアメリカの青年にスポット当てた違う意味の「スタンドバイミー」かな・・・・
また、違う角度から見れば、アメリカのプロパガンダにも見える。
本作品、大好きなクリントイーストウッドが監督したと考えるのなら、彼なりに素晴らしい所は、本作品、主人公達を俳優さんを使わず、本人達を出演させているところ、また多分本作品でも、リハーサルは全くやらず、出演者そのものの演技を大切に撮り上げて作ったんだろう。
それはそれで、良く出来ていると思う。
ま、内容の方は、曲げる事が出来ない事実を撮っているので、脚色しようがないんだけど、しかし、商業映画として考えるのなら、脚色しても良かったかなと思うね。
今回の作品は、見る人見る人で見方や感想が大変に違う映画だと思います。
人に歴史あり
意欲的なロードムービー!
有名な監督だから、話題作だから、実話映画だからと宣伝に
乗せられて鑑賞すると期待外れになると思います。
ロードムービーが好きだという人の期待を裏切ることはありません。
私が好きなロードムービーは、「モーターサイクル・ダイアリーズ」
です。
ロードムービーがつまらなく思えるのは、平凡な日常生活を
描いているからです。
ロードムービーが楽しく思えるのは、成長物語だからです。
自分の人生は、平凡な日常生活を過ごしてきただけだと感じている
人は、ロードムービーもつまらなく感じると思います。
自分の人生の中で成長したと思える人は、ロードムービーに共感し、
楽しむことができると思います。
ロードムービーというのは、自分の人生を映す鏡のような映画だと
思います。
若い人は、まだ人生が短いので、ロードムービーに共感し、楽しむ
のは難しいと思います。
若い人は、人生の先が長いので、ロードムービーに憧れることが
できれば、楽しいと感じることができると思います。
私は、海外業務を通して、日本では得ることのできない経験に
よって成長できたと感じているので、楽しむことができました。
ヴェネツィアには行ったことはありますし、ドイツ人との業務経験
もあり、ドイツのミュンヘンに20日間程度滞在したこともあるので、
懐かしいとも感じました。
若い人が、少子高齢化の進み、縮小する日本にしがみつくというのは、
賢明ではないでしょう。
学校、職場で落ちこぼれ、国内に居場所はないと感じているのなら
外国に居場所を探すのは現実的な手段です。
学校、職場、国、テレビで伝えられることが全てと思い、
オリンピックのメダル数に一喜一憂している貧しい井の中の
蛙には、退屈で、理解できない映画だと思います。
学校、職場、国、テレビで伝えられることが全てと思せたい
オリンピックのメダル数に一喜一憂させたい富める井の中の
蛙にも、退屈で、理解できない映画だと思います。
自然と涙が出た
日常の生活に焦点を当て、
その時ヘ向けて淡々と時間が進んでいく。
どこにでもあるような友人同士のやりとりが微笑ましい。
事件のシーンは、きっと細部に渡って再現されているのだろうなというのがわかる。
物凄くリアルで現場の恐怖や緊張感がひしひしと伝わってくる。
気がついたら自然と涙が流れていた。
一般人の英雄物語で、こう映画にまで出演しているのに、全く嫌味な感じを受けないのは、映画自体がシンプルなのもあるが、
きっと主人公の青年の素朴で実直な人柄の良さが滲み出ているからなのではないかと思う。
おそらく監督もそれを見抜いて本人を出演させたのかもしれない。
とはいえ、映画館で見る必要があった映画なのかどうかは謎。
観光シーンは映像映えするイタリアだからこそ持ったようなものですね。やっぱりイタリアすごい。イタリア行きたい。
”アメリカンヒーロー三部作”は、映画人としての矜恃
87歳にしてほぼ毎年、作品を世に出し続ける老匠クリント・イーストウッド監督の最新作。
近作「アメリカン・スナイパー」(2015)、「ハドソン川の奇跡」(2016)に続く本作は、またしても"事実に基づいた英雄"を描いており、これで"アメリカンヒーロー三部作"となった。しかしながら3作品とも"英雄の姿"が異なる。これは明らかにイーストウッド監督が意図したものに違いない。
映画興行の世界では、マーベル(ディズニー/MCU)の"アベンシャーズ"や、DC(ワーナー)の"ジャスティス・リーグ"のヒーローが、もてはやされているが、イーストウッド監督はあたかも"本物のヒーロー"を宣言しているようにも見える。これは映画人としての矜恃(きょうじ)なのかもしれない。
本作は、ユーロを走る高速列車"タリス"車内で2015年8月21日に発生したテロ事件、"タリス銃乱射事件"の映画化である。列車内でイスラム過激派の男が銃を乱射し、パニックが起きたが、たまたま乗り合わせた休暇中のアメリカ軍人2名と大学生1名が犯人を取り押さえ、大惨事を免れた事件である。
3人は幼なじみで、休暇を使った観光旅行中であり、事件の列車に偶然乗り合わせただけである。突然おとずれた緊迫の一瞬に、"そのとき、人は何をなすべきなのか"を問う。
テロ映画でありながら、テロ事件シーンはわずか10分だけ。あとは、幼なじみで親友同士のスペンサー、アレク、アンソニーの3人の出会いから現在に至る回想と、3人のヨーロッパ観光旅行のドキュメンタリーである。
お世辞にも映画的な題材とは言えない。本作におけるイーストウッド監督の凄さは、こんなにも映像的に地味な話を、感動作に持っていくワザである。
何者でもない普通の若者の、ありえない実体験を描くために取った手法は、主人公の若者3人、スペンサー、アレク、アンソニーを、なんとスペンサー、アレク、アンソニー本人が演じている。
巨匠の映画のメインキャストをプロの俳優ではなく、ドシロウトが演じているのだ。ところが94分という短めの尺で、計算されたカットやシーンメイク、脚本のセリフ、編集テクニックによって、ドキュメンタリー的なリアリティが生まれており、アマチュアの演技なのにそれをカバーして、感じさせない。
もちろん本職が軍人なので、肉体だけは屈強であるものの、イケメンでもなんでもない。
たとえは飛躍的だが、まるでシロウト素材を使いこなして、商業作品レベルに仕上げてしまう欽ちゃん(萩本欽一)の域である。老匠は達観すると、こういうマジックを使うのか・・・。
一方で、映像はできるだけドキュメンタリー的であるために、今回は手持ちカメラを含めた、普通の2K(フルHD)機材にアナモルフィックレンズを使い、普通のシネスコ映画に仕上げている。「ハドソン川の奇跡」のような6.5KカメラによるIMAX超解像度ではなく、画質的にはつまらない。
(2018/3/3/ユナイテッドシネマ豊洲/シネスコ/字幕:松浦美奈)
余計なものが何もなく事実があるだけ
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