劇場公開日 2018年10月19日

  • 予告編を見る

「お金について真正面から考える」億男 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5お金について真正面から考える

2020年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

お金は大事である。でもお金について語ることはなんだか汚らわしいことのように感じることもある。世の中、お金が全てではないが、資本主義社会はお金の循環で回っていく。なので、お金について考えることは社会について考えることであり、ひいては自分の人生について考えることでもある。
3億円あたった主人公を見て、自分ならどうするだろうと考える。金持ちになりたいと漠然と考えることはあっても、具体的なイメージを持っていないことに気がついてしまう。そうなるとお金に振り回される人生に転落するかもしれない。映画には、お金に人生を狂わされた人がたくさん出てくる。お金について僕はどれだけ真剣に向き合ってきただろうかと不安になる。
メインの二人が落語研究会出身であることがすごく効いている。「芝浜」の夢のように、お金という実態のない存在も霧のような存在なのかもしれない。

杉本穂高