劇場公開日 2018年10月19日

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「また、夢になるといけねぇ」億男 うにたん♪さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0また、夢になるといけねぇ

2019年6月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

落語の芝浜が近い内容とは思うが、突然宝くじが当たった男がちょっと不安になり、金持ちの友人九十九に相談、金を持ち逃げされた事から九十九を探す為に変わった金持ちに会い「金とはなにか?」と悟らされていく。
寓話的な物語だから極端な人ばかりで、金を持っているのに彼らが幸せそうに見えない。

金を持っていると、チャンスに仕掛ける事が出来るはずだが、ギャンブルしたり啓発セミナーで荒稼ぎしたり、部屋の壁に札束隠して金に囲まれてるだけとかで、本当に変な人ばかり出てくる。まさに金に踊らされている人々だ。

急に三億なんて大金を持てば強盗や詐欺など奪われる不安感は誰でもが持つだろう。
市井の人々は日々を生きる為に働き、貯金してささやかな幸せを繋いでいくものだ。
勿論、金があれば…と誰しもが思うが、持っているからといって幸せではない。
「もっともっと」と金を稼ぐ事だけに生きた一男は妻に離婚を言い出されたが、あの妻の判断はどうかと思う。

ラストは芝浜らしくオチがつくが見る人によっては「ふぅん」で終わってしまうかもしれない。

「金の重みは人が決める」市場経済から株式取引やトレーディングによって異様な価値をもつものが出来、右から左に動かすだけで金が増える世界で、この作品のメッセージは大事な事と分かっているのに素直に受け入れられない気持ちも残った。

金をアゴで遣うようなおっきい人間になりたいけど、中々成れるもんじゃないよね。

うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)