「響の魅力に尽きる作品です。」響 HIBIKI マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
響の魅力に尽きる作品です。
映画化されるまでは全く作品の存在すら知らなかったんですが、ふとした切っ掛けで原作の漫画を読んでからどっぷりハマりました。
原作の良さは主人公の響の唯一無二の天才っぷり。天才が故に唯我独尊的な振る舞いも魅力でその響の魅力を何処まで表現しているかが気になる所で観賞まで、かなりハードルを上げて期待してました。
で、感想はと言うと、まあまあw
原作の第6巻までに当たる芥川賞・直木賞ダブル受賞までの話を映画化しています。
原作を忠実にと言う訳ではないので、文芸部員の関口花代子はいなかったり、響が屋上から飛び降りる(結果的に)のも途中、涼太郎の助けか無くて、涼太郎が殆ど活躍してないのも、コワモテの塩崎隆也が途中からかなりフレンドリーになるのも、実は良い人吉野桔梗が写ってないのも、まぁしょうがないかなと諦めはつきますが、個人的に惜しい点は3つ。
1つはもう一人の主人公的な存在の祖父江凛夏が殆ど活躍と魅力が薄い。
彼女をストーリーテラーにした方が良かったのではないかな?
2つ目は小栗旬さん演じる山本春平の存在。
冒頭から描かれていて、響と対照的に描いている小説家なのに、扱いが軽い。と言うか、山本春平の出番を原作よりもクローズアップさせてるのに、さほど重要ではないので、逆に折角、小栗旬さんをキャスティングしているのに勿体無い。
3つ目は響の可愛さが描かれていないw
主演の平手友梨奈さんのキャスティングは嫌いじゃないです。響の癇に障ったら即実行を忠実に描いてます。個人的に前髪をパッツンパッツンに切り揃えてるので大木凡人さんに見えたりしますw
それでも割りとナイスキャスティングではありますが、原作で描かれた15歳の高校一年生の女の子の時折見せる素の可愛らしさが描かれてなくて、バイオレンス性だけを強調していて、響の魅力が天才小説家なのに狂暴な変人的に描かれているのがなんか勿体無いです。
ホント、この三点がもう少し丁寧に描かれていたらもっと満足感が上がったのに惜しいです。
それでも話は原作にかなり忠実に描かれているので、全く駄目な訳ではないです。
あくまでも原作が好きなのでもっと良くなるのになぁの感想ですが、観賞する価値は平手友梨奈さんを抜きにしてもあるかなと思います。