「消化不良、、、?」響 HIBIKI ろんさんの映画レビュー(感想・評価)
消化不良、、、?
原作未読です。
見終わった感想は、あ、終わった、みたいな感じでした。つまらなかったわけじゃないです。盛り上がりきらなかった、という感じでしょうか。原作を読んでいないからなのか、何を伝えたかったのか、イマイチ分からず。何がメインの話なのでしょう?エピソードが繋がっているだけのような印象を受けました。小栗旬さん演じる小説家とのシーンから、そのままエンディングに向かっていきますが、そこがメインなのでしょうか?記者の話は?記者には馬鹿にされた挙句、暴力だけふるって、そのまま終わってしまいましたね、、、。彼の中ではどういう結論に至ったのでしょう、、、。響のセリフにも、言い訳のような正義を感じて、スッキリするどころかモヤモヤ、、、。
また、少し無駄が多いようにも感じました。例えば響の彼氏?的な男の子。正直いらないかなぁ、、、と。登場シーンはあんまりないし、メインの部分に関わってこないし、、、。文芸部のエピソードも、響の性格を印象づけるためにあるのでしょうが、もっと他にスポットを当てるべきところがあったのでは?と思ってしまいます。
例えば小栗旬さんや柳楽優也さん演じる小説家。お二人の素晴らしい演技をもっともっと利用して、響がいかに彼らに影響を与え、心を揺さぶったのか。とことん描いて欲しかったなぁと思います。小栗旬さん演じる小説家、すごくいいキャラだと思いました。涙を流しながら書き上げるシーン、鳥肌が立ちました。どんな思いで芥川賞の発表を待っているのか、なくなってしまった親に対してどんな想いなのか、知りたくなりました。マンガ、小説原作ありの映画は、冒険しすぎると叩かれますが、ただ原作をなぞるのではなく、映画の作品としてのまとまりや魅力が欲しいところでした。
しかし、脇を固める名優達や、主演の平手友梨奈ちゃんの演技は素晴らしかったと思います。映画作品としては少し残念でしたが、演者さんたちは素晴らしかったと思います。原作を見て見たくなりました。