「不器用な少女の話、又は天才を取り巻く群像劇」響 HIBIKI akiさんの映画レビュー(感想・評価)
不器用な少女の話、又は天才を取り巻く群像劇
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主人公の響はちょっとぶっ飛んでて暴力的な文学少女。
売られた喧嘩は買うし、友人が侮辱されたら足が出る。
作品内でも暴力を振るう事は再三注意されるし作品内では正当化されてない、むしろそれにより立場を悪くしていく。
その中での最後の受賞式での暴れっぷりは感動すら覚えた。
個人戦を好む響に対して、執拗に周囲を巻き込みフミを責め立てる記者への蹴り。
全てをご破算にしてしまう、自分の立場が悪くなる、そういう計算が彼女にはないのだろう。
なんて純粋でまっすぐで、不器用な子なのだろうと涙が出た。
又、天才響と女子高生作家リカ、青年作家ヤマモトの対比も良くかけていた。
努力や根性では埋められない、持つものと持たざるものの差は残酷である。
特にヤマモトの書店でのシーンは胸が痛くなった。
書いても書いても評価されない、出版されてもコーナーは設けられず一冊ぽつんと本棚に納められるのみ。
評価されない自分は無価値に思えついには自殺も思いつくが、まさにその時に響と初めて人生が交差する。
その時言い放った響の言葉にはっとさせられました。
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