「生き方を考えさせられる素晴らしい作品」響 HIBIKI ちゃまさんの映画レビュー(感想・評価)
生き方を考えさせられる素晴らしい作品
自分の生き方を見直すような素晴らしい作品に出会いました。
本作の主人公である鮎喰響は、その発言や暴力性から周りから「異常」だとされています。
しかし、響はどこまでも真っ直ぐで誰よりも純粋であるが故に、周りに流されることもなく、自分の価値観に忠実に生きてきただけであり、
もしかすると「異常」なのはどこかでそれを失ってしまった響の周りの人たちやスクリーンの前の私たちなのかもしれません。
そんな響と接することで、徐々に変わっていく周囲の人間たちの心の動きや価値観の揺れこそ本作のメインテーマなのではないでしょうか。
だからこそ、ストーリー的に「ここがメイン」というシーンや、明確なクライマックスというものはなく、淡々と物語が進んでいるように感じる人もいるかもしれません。
ただ、ここで描かれているのは響の「ドラマ」ではなく、あくまで響にとっての「日常」であり、一見すると「おかしい」「異常」と捉えられるような行動も、響にとっては「当たり前」なのです。
そんな響の生き様を観ることで、スクリーンの前の私も響の周囲の人たちのように自分の生き方、価値観を考えさせられました。
最後に作中の鮎喰響のセリフから引用して
「つまらないって言うのは構わない、でもちゃんと読んで判断しなさい。そうじゃなきゃ卑怯よ」
少しでも興味のある人はぜひ観に行ってみてください。
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