劇場公開日 2018年9月14日

  • 予告編を見る

「キャスティングの勝利。」響 HIBIKI ライアンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5キャスティングの勝利。

2018年9月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

原作未読で観てきました。なので原作の響との違いとかあまりわからないけど、聞くところによると原作者自らが強く主役としてのキャスティングを希望したという平手友梨奈さんはおそらく原作の響そのままの佇まいなんでしょうね。というか、平手友梨奈さんのイメージがそのまま原作の響というキャラクター造形に反映されてるのではないかな?それぐらいあの強烈なキャラクターが平手さんにピッタリハマっていたし、良くも悪くも映画の出来までがそこで決められたような気がする。

作品内容を簡単に説明するなら、飛び抜けた文才を持ちながらそれ以外の人間性がポンコツ故に純粋で悪気一切なく破天荒な行動を次々と起こす現代のアウトロー響と、彼女に関わらざるをえなかった人々の騒動をセミドキュメンタリーとして追ったのがこの作品、となるだろうか。小説家が主人公の映画なのに、作家が執筆に葛藤するありがちなシーンやその作品内容に触れてるシーンがほとんど出てこない。とにかく人を殴るは蹴るわ、響のやらかすことをハラハラワクワクしながら観てもらったらそれでいいのかなと思う。

天賦の才に恵まれた者にしか出せない有無を言わさない説得力と否応無く周囲を巻き込んでいく影響力。そして相手を三白眼で睨む時の顔、顔、顔!演技とはいえゾクッとするカッコ良さ!もう響無双と呼んで差し支えない!そのぐらい単純に痛快なエンタメとして楽しめました。

余談ですが。響の親友兼ライバルとして『パコと魔法の絵本』にて子役のヒロインを演じ日本アカデミー賞新人俳優賞を史上最年少で受賞し話題になったアヤカ・ウィルソンさんが成人してスクリーン復帰してくれたのは喜びたいですね。

ライアン