「ただのアイドル映画、暴力映画ではない」響 HIBIKI 久美子さんの映画レビュー(感想・評価)
ただのアイドル映画、暴力映画ではない
響の生き方は真似できない。いろんなしがらみに縛られている自分には響の生き方は見ていて苦しくなるほど真っ直ぐだった。CMでは暴力的な部分が印象的に切り取られていたが、響の内面(真っ直ぐさ、純粋さ)を象徴する行動のひとつとして物語の中に存在していたと思う。悪い大人をやっつける痛快な物語...のような単純なものじゃない。
共感して感情移入するタイプの主人公ではないため、響をどう思うかにはそれぞれの価値観がかなり反映されそう。世間が常識が周りがどう思うかではなく、あなたはどう思うか。シンプルな問いを叩きつけられるメッセージ性のある映画だと思う。
キャスティングは小栗旬と北川景子は安定して素晴らしかった。脇を固める役者も味がありそれぞれ印象に残った。主演の平手友梨奈は演技が上手い下手のカテゴリには当てはめられない。彼女と向き合った制作陣の本気の真剣勝負が伝わる。彼女でなければ響の説得力はなかったと思う。今日の感想を伝えたら次は映画好きの友人と行くことに。賛否両論あると思うが、あなたはどう思ったかを聞きたくなる映画。
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