「残念終わってしまった。ずっと続けて天才誕生の物語を見たかったのに。」響 HIBIKI Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
残念終わってしまった。ずっと続けて天才誕生の物語を見たかったのに。
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欅坂46のトップアイドルとしての平手友梨奈のキャラクターに頼らず、原作の鮎喰響という天才女子高校生作家を忠実に真摯に、描いた作りに、好感が持てた。そして、多くの領域で、停滞や衰退から天才の出現を待ち望んでいるという現在日本の空気感を感じさせられもした。
以前は天才一人の出現で何が変わるかと思っていたが、現実に将棋界は、天才藤井聡太の登場で劇的な変化を遂げ、映画の中の北川景子演ずる編集者の○○の前と後という台詞も、説得力を感じた。また彼の発言から、天才の天才たる所以は実は、価値観が従来とは異なっているところにあるのか?とも思っていたが、重要なのは賞の取得ではなく、作品の中身クオリティ、力量を継続的に上げていくことこそという響の価値観は、彼と共通性があり、光明が有るところは何処かに、一つの答えを示唆していると思えた。
凄みの有るダンスを生かせる様な動きは封印して、かっこ良さと可愛らしさと凶暴性が同居する天才響になりきった平手友梨奈には、ラストに流れるラップ調の魅惑的な歌唱とともに、天才性とその辺にいる普通の女子高生感の両方を強く感じさせられた。あやうさをも含むそこが魅力的で、次の主演映画も、是非、見てみたいと思わされた。
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