「映画にするには内容が弱かった。」劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 みーさんの映画レビュー(感想・評価)
映画にするには内容が弱かった。
ドラマシリーズは全て観た上での劇場版鑑賞でした。
他にも多数書かれている方おりますが、これがスペシャルドラマであればかなりの高評価だったと思います。
視聴率不振に喘ぐフジテレビおいて、あれだけヒットしたドラマの劇場版なのに予算とってなかったのかな?と甚だ疑問に思いました。
以下、箇条書きで記します。
1.ドクターヘリの出動回数が少ない。
これはドラマシリーズの3のときから思ってましたが、ドクターヘリが主題であるにもかかわらず、今回も2回のみ。
ヘリが出動する緊迫感や、ピストンでドクターを運ぶような見せ場もありませんでした。
2.災害救助の描写が薄い。
未曾有の大災害が重なるという謳い文句でしたが、飛行機と海ほたるの2回のみで、内容も薄かった。
最初の飛行機の事故はただ藍沢先生をカッコよく登場させたかったがために入れたものに思えました。
3.お得意のメインキャストの誰かが二次災害にあうという筋書き。
今回意味ありました?藍沢先生がああなったことで結婚式のコメントが効果的に使われ、5人の絆がさらに深まり、最後のお前らが家族みたいなものだという台詞に持って言いたかったのでしょうけど、雑!
生死に関わることもなく、目覚めてからの経過もなく。なんだったの?って感じでした。
4.いろいろなエピソードを描きすぎてそれぞれの内容が薄く、どこに感情移入して観たら良いかわかりませんでした。
余命僅かな花嫁、アル中の母への葛藤、虐待にあった息子と父、脳死に直面する家族。
どれも薄い!!特に虐待にあった父親と息子なんて、良い思い出もひとつもないし、10年以上会ってないのにいきなり目の前で死にそうになったからって和解した風になりますか?
今回は藤川冴島の結婚と、メイン5人が家族のような絆になるという結末を目指していたのだから、そこに重なるエピソードとして、余命僅かな花嫁とアル中の母の話くらいでよかったのでは?
5.とにかく緊迫感がない。
災害現場や患者が運ばれてきて処置している最中、無駄な会話しすぎてて、生死を左右する救命の現場とは到底思えませんでした。
フェロー達の成長は別の角度からでも描けたかなと思いました。
以上が劇場版としては弱いと思った理由です。
限られた予算だと思いますが、もっとヘリを飛ばしたり
、海ほたるの事故を大規模にしてガンの花嫁の結婚のエピソードやアル中の母親とのエピソードもそこに盛り込めばよかったのではないかなと考えます。
あとは最後の手紙は田所先生より黒田先生の方がもっと感動的になったと思います。
ただ、全体としては綺麗にまとまっており、脳死の男の子の話はぐっとくるものがありました。
これまでのコードブルーの最後を飾る作品としては及第点でした。