「意味深なタイトル通りの怖い映画でした」ファントム・スレッド よねさんの映画レビュー(感想・評価)
意味深なタイトル通りの怖い映画でした
1950年代のロンドン、レイノルズは彼の秘書を務める姉シリルと共に大勢のアシスタントを従えて活躍する社交界で絶大な人気を誇るファッションデザイナー。レイノルズは朝食をとろうと立ち寄った帰省先のレストランでウェイトレスのアルマと出会う。運命的な出会いを感じたレイノルズはすぐに彼女をディナーに誘い、食事を終えたレイノルズはアルマに体の寸法を測らせてくれないかと提案する。アルマは当然戸惑うが、彼女の背後には静かにシリルが立っていた。
予告を観る限りでは古めかしいロマンスのような雰囲気でしたが、内容は全然違いました。レイノルズに訳分からず振り回されるアルマを見つめる物語が次第にあらぬ方向に転がり、淀川長治先生なら眉間に皺を寄せて「怖い怖い」を連発したであろうこの意味深なタイトルが醸す通りの怖い映画になっています。
フィルム撮影に拘った映像は途方もなく美しく、尋常ではないレベルで当時のロンドンの風景を再現しているのでスクリーンでの鑑賞がベスト、ずっしりと重い重厚な作品です。
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