「☆☆☆★★ 人と人は思いやりが大事…との展示会を開く予定の美術館の...」ザ・スクエア 思いやりの聖域 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
☆☆☆★★ 人と人は思いやりが大事…との展示会を開く予定の美術館の...
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人と人は思いやりが大事…との展示会を開く予定の美術館の責任者。
その彼に巻き起こる様々な騒動を描くのですが。
実際問題、彼に思いやりの心が有るのか?は、実はちょっと怪しい事を映画は炙り出して行く。
人間には知らず知らずではあるものの、差別意識を持ってしまっている。更には自分本位の考え方も。
映画を観た限り、深読みして考える。
「これって、対人関係に於ける争いを描きながらも、本質では紛争に至る経過を示しているのでは?」…と。
勿論、当てずっぽでは有りますが(-_-)
些細な出来事に翻弄される主人公。
映画としては、エンディングに至る道のりまでに。何一つとして多くの騒動は解決をみない。
企画した全ての事柄が、根底にある差別意識の為なのか?ことごとく失敗する。
そんな彼では有ったのだが、やっと相手の立場になって考える意識を持っに至る。
この時に、普通の監督だったならば。娘の2人と車を降りる場面でエンディングで充分の筈なのに…。
前作の『フレンチアルプスで起きたこと』のエンディングも、そうだったのだが。
「嗚呼、終わりだな!」…と思わせては。その次のカットでは、何とも言えない不穏な空気感を観客に与える辺り。この監督の一筋縄では行かない意地悪な側面は、更なる進化を遂げている様だ。
本当に意地が悪い悪い。
2018年5月3日 ヒューマントラストシネマ有楽町/シアター1
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