「誰が為に、銭はある」ゲティ家の身代金 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)
誰が為に、銭はある
巨匠、リドスコおじさんの、出汁ほとばしる快作にて、怪作。ゲティ坊やの世話をする小悪党に、いちばん人間味を感じるくらい、善悪の尺度が狂っているのが、天晴れ。燃え盛る闘魂で、石油を堀り抜く銭ゲバ野郎の一代記「ゼア ウィル ビィ ブラッド」と、ヤバいイタリア観光案内「ゴモラ」を、同時に観た気分です。
ゲティ爺さんの、不気味さ、得体の知れなさは、ほぼ地球外生物ですね。つまり、エイリアン。どうも、銭ゲバエイリアンは、初めからヒトの心に棲息。今にも、内面を突き破って出てくるようです。宇宙船も、クローン技術も要りません。
舞台は、レプリカントの1人や2人、いそうなくらい怪しい街。(ご丁寧に、グラデュエーターの養成所まで、あります。)ここで、ビジネスとしての人さらいと、節税としての身代金が、せめぎ合う姿は、プレデターvs エイリアンかと、思いました。
そんな銭ゲバエイリアンから、家族を守り抜く女性こそ、リドスコおじさんの理想なのかな。ミズ・ゲティの力強さが、リプリー宇宙飛行士に、受け継がれてゆくようです。
それはともかく、誰が為に、銭はある?。
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