「世界一の富豪にして世界一のケチ!!」ゲティ家の身代金 るるびっちさんの映画レビュー(感想・評価)
世界一の富豪にして世界一のケチ!!
なるほど、”人でなし”でなければ財産は築けない!!
孫の誘拐事件で身代金を払わない以上に、値切ろうとするところがリアル守銭奴の面目躍如のところ。
これが喜劇なら相当ブラックだが、史実なのが本当の恐ろしさ。
更に貧乏人では思いつかないある理由で、少し位なら払ってもよいと考えるところが、”人でなし” の面目躍如のところ!!
繰り返すが、ブラック喜劇ではなく史実なのだ。
結局、仲間・家族を大事にしているのは犯罪者側という皮肉。
それゆえ資産家の祖父は、家族に見守られるのではなく骨董品・美術品に見守られて最後は…
被害者側の母親と加害者側の実行犯が、それぞれのボスがガンコで板挟みに苦しむ。敵対した立場なのに、互いに「ウチのボスのガンコさには手を焼いてる」と電話で共感した様子。シンパシーを感じていて面白い。これは重要な伏線で、後で人質の運命に関わってくる。
「金儲けはバカでもできるが、本当の金持ちにはなれない」
これが祖父の資産に対する哲学だ。彼は本当は守銭奴でも、孫への愛がないわけでもない。人と金の見方が決定的に違うのだ。
”人でなし”でなければ財産は築けない。と書いたが、本当は金の見方が違うのである。逆に言えば、僕らは金に対しての見方・考え方を変えなければ彼のような資産家には一生なれない。それが良いのかは、各々が考えるところだろう。お金に少しでも興味のある人は、”金の哲学”を学ぶためにも必見の映画だと思う。
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