「間違いなく新しい形のエンターテイメント」クソ野郎と美しき世界 まおさんの映画レビュー(感想・評価)
間違いなく新しい形のエンターテイメント
まず、この映画は絶対に好き嫌いがあると思うので、3人のファンではない人が観たときに全くハマらない人もいると思う。
ただし、この新しいエンターテイメントが、初めての試みであることは、疑いようのない事実だと思う。
まず、オムニバス映画でありながら、これほど3つのストーリーのテイストがバラバラで、なおかつ最後に4つ目のミュージカル的なものを入れてくること自体、今までの大手の映画会社が作ってきたものでは全く見られなかった手法である。では、そのバラバラのテイストのストーリーは、実は細かく絡み合っていて、勢いに任せて進んでいるように見えながら、繊細にそれぞれのストーリーがお互いを引き立てあっている。4つ目のフィナーレでは、まるでグレイテストショーマン?と思わせるような歌とダンスとともにそうだったのね!みたいなラストのサプライズもあり、この映画が実は1つの大きなメッセージを持って作られたことが感じられる。
間違いなくどの映画会社でも企画段階から通らない映画だと思う。
でも、彼らが作ったものは、作り手がお客にも媚びず、TV局やスポンサーへの忖度もせず、芸能事務所の力関係による配役もなく、それぞれのクリエイターが本当に作りたいと思うものをあえて怖がらずにまっすぐにぶつけてきたものだと思う。
これだけのキャスト、監督を揃えながら、エンターテイメントを純粋に作りたいと思って作った映画が、ここ最近あっただろうか?
この映画が示す、新しい地図を映画を愛する一人でも多くの人に感じ取ってほしいと思う。
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