「いさぎよい前口上」ダンガル きっと、つよくなる ユージーンさんの映画レビュー(感想・評価)
いさぎよい前口上
映画のはじめに流れる、実話に脚色しています、という、実にいさぎよい序文には好感が持てました。ハリウッドであれば、まるで映画のようなロマンチックな出来事が実際にあった、と言わんばかりに演出しますが、ダンガルではしっかりと、虚飾ですよ、面白おかしくしてますよー、と正直に語っているので、観ている方としても、穿った見方をすることなく、映画を娯楽として観られたので、心地よかったです。
インド映画は「きっと、うまくいく」と「PK」くらいしか観たことがありませんでしたが、その二作同様、今作も、自国の問題点を指摘しながら物語が紡がれていきます。実話が元になっているということで、問題提起に「PK」ほどの威力は感じられませんでしたが、話としてはうまくまとまっていましたし、笑いも多くあったので、最後まで楽しく観られました。
今回は、アーミル・カーンの役柄が年相応で、彼の肉体美があまり拝めなかったのが残念でした。が、彼の役者としての幅には、感服します。五十歳を過ぎてのあの肉体には、トム・クルーズも舌を巻いていることでしょう。
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