「少し変わった視点から見てみると・・・」ダンガル きっと、つよくなる 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
少し変わった視点から見てみると・・・
実話を基にした笑いと涙ありの超一級娯楽作品である、ということについて全く異論ありません。
ということで、少し違った観点から。
差別や抑圧というものは先進国においても、セクハラやパワハラなどと言い方は変わっても未だに解決できていない人間社会の永遠の課題ですが、その差別や抑圧と闘ったり、乗り越える姿が人びとを感動させる人間ドラマを生んだり、闘う人同士の強い絆や友情を育むことも事実です。また、厳格な父親、スパルタ的な鬼コーチや上司などによる精神的な抑圧のある環境に置かれた人たちにおいて、ストレスや抵抗は感じながらも、その一方で、認められると嬉しい、或いは褒められたい、という感情も否定できません。場合によっては、それが目標になったり、達成感の源にさえなります。自分のためと信じてやっていることも実は親や友達や先輩や上司に認められたいということも多いのではないでしょうか。
組織や人間関係からフリーで、個人の尊厳が全く損なわれることのない環境は理想郷のように思っていましたが、どこかいびつな部分があって、自分も誰かの力になれるのでは、と思える(ある意味、理想郷とは言い難い不完全な)環境の方が、人は幸せを感じることができるのかも知れません。勿論、理不尽なことはない方がいいに決まってますが。
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