「シリーズの骨格さえもかなぐり捨て、風呂敷を広げながら畳む狂気」シャークネード5 ワールド・タイフーン Elvis_Invulさんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズの骨格さえもかなぐり捨て、風呂敷を広げながら畳む狂気
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シャークネードの猛威に抗うべくNATOの戦略会議に招待されたフィンは、
対シャークネード秘密結社「シャークネード・シスターズ」の指導者となったノヴァと共に
古代人類がシャークネードに打ち勝った際の秘宝をストーンヘンジから回収する。
しかし彼らはそれが何を意味しているのか理解していなかった……
前作にて「サメは飾り」と言わんばかりの展開に走り新境地に至ったシリーズは、
本作でとうとう「フィンとシェパード一家がシャークネードを倒す」という大筋すらも放棄した。
世界を目まぐるしく動き回らされる(本作のフィンは今まで以上に翻弄される。移動経路が彼主体ではないこともその表れと言える)わりにどうもこじんまりとした印象が拭えないのは、
登場人物の恣意的な矮小化・削減が行われた影響か、
それとも脈絡と説明を一切つける気がない曖昧な脚本とおよそ認めがたい結末がもたらしたものであるのか。
八割がたファンしか見ないタイプの作品なのにこのレベルでファンを突き放す作りには戦慄を覚えるものがあるが、
それだけに(やっぱりパロディだけど)最終シーンの展開への期待をせずにいられない罪作りな作品。
この作品は「6作目」に向けたシリーズの準備としての性格を隠しておらず、
見る上では全作品通してこのシリーズと付き合う覚悟を決めるほかない。
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