「ゴジラVSテクノロジー信奉」GODZILLA 決戦機動増殖都市 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラVSテクノロジー信奉
日本特撮を代表する大怪獣ゴジラを
CGアニメ映画三部作で描くプロジェクトの第2弾。
前作ラストで出現した強力無比の怪獣“ゴジラ・アース”を
抹殺するため、主人公ハルオたちが、ナノマシンで構成
された巨大要塞“メカゴジラシティ”でその迎撃を企てる。
...
ここにきてようやく、地球人・エクシフ・ビルサルド、
物語上での差異が曖昧だった3種族の差異がはっきりし始める。
ビルサルドの『個より全体&テクノロジー信奉』が
危険な領域へ暴走するにつれ、何が何でもゴジラを倒すという
怒りと決意に満ちていた主人公の中に、本当に何もかもを――
仲間や恋人までもを――犠牲にしてまで勝ってもよいのか、
人間性を棄ててまでの勝利に何の意味があるのか、
という迷いが生じるまでの流れは良い。
明らかにあの守護神の登場に絡むだろう双子の少女や、
満を持して口にされる最大の敵の名前にも
「いよいよきたか」とワクワクさせられた。
...
だが、3部作の中継ぎとしてはイマイチな印象。
観終わった直後は「1作目よりは人物描写や種族描写が
描き込まれているからいいかな」とも思ったのだが、
新登場のマイナとミアナの心情描写はまたしても薄い
(この点は3作目にも響いてくる)。
ハルオに思慕を寄せる場面が少なく、2人の描き分けも、
表情と態度の違いはあれ、その差異の背景が曖昧なのだ。
それに、1作目ほどインパクトのある場面も思い出せず、
前作のテンションを維持できていない印象の方が強い。
問答めいた示唆的な会話やら選択やらが増え始めたのも理由か。
そして……往年のゴジラファンとしてはやっぱりあれである。
メカゴジラを名乗るよくわからないあれである。
1作目の時点では「従来とは多少別物でも面白けりゃ
良い」くらいに割り切って鑑賞していたのは確かだ。
だけどさ――メカゴジラの名前を出したという時点で
ファンはVSシリーズのノリを期待しちゃうわけじゃないですか。
「次からそっちに寄せてくるの?」と思うわけじゃないですか。
なのに登場するのがあの怪獣ロマンの欠片もないピカピカの
工場だったら、そりゃ自分とかはガッカリしちゃいます。
何かファンの意表を突く形で登場させたかったのかもだが、
意表は突かれても全然ワクワクしないですもん、あれじゃ。
ゴジラ対人類の第2回戦、あるいは
自然の脅威ゴジラ対人類のテクノロジー
として割り切って見たとしても……
なぜかあれだけ強力に見えた“ゴジラ・アース”が、前作の
小ゴジラと同程度の相手に見えてしまうんである。
これはレビュアーのMAKOさんも書かれていたが、
1作目では絶望的なサイズに見えた“ゴジラ・アース”なのに、
今回はその巨大さを強調するような比較物が全然登場しないので、
1作目の絶望感・威圧感がかなりかなり減じてしまっている。
それに“ゴジラ・アース”の超高熱化という見せ場はあるものの、
兵装と舞台の大きさを“ゴジラ・アース”のサイズに対応させただけで、
全体的な流れが1作目とほぼ同じであることもそう感じた一因かも。
...
ハルオの迷いがどこに行き着くのかという点や、
いよいよ不穏な動きが目立ち始めるメトフィエスが
口にする“ギドラ”の名などには少し期待させられるが――
1作目ほどには楽しめなかったのが正直な感想。
イマイチの2.5判定。
それに、1作目からそうだったが、2作目でますます
観念的な会話が増え始めている点も気にかかっていた。
この調子じゃ3作目もあんまりエキサイティングな
内容にはならないのではという予感は本作を鑑賞した
時点でも感じてはいたが――続きは別レビューにて。
<2018/05/19鑑賞>
お久し振りです。
アニゴジ3部作一挙レビュー、参考にさせて頂きました。
自分は第1章は劇場で観て、第2章はレンタルで見て、最終章もレンタルになりそうです。
決してつまらない訳じゃないんですが…、ちと煮え切らないと言うか。
ゴジラ映画と言うより、完全にハードSFジャパニメーションの世界観ですね(^^;
もっとゴジラ映画らしいゴジラ映画を!
それは来年のお楽しみですね。
解禁された予告編ですでにテンション上がりまくりです。
きびなごさんもご覧になっている事でしょう(^^)