劇場公開日 2018年5月18日

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「人類最後の希望、それは…」GODZILLA 決戦機動増殖都市 ハーシー・カイルトラスさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5人類最後の希望、それは…

2018年5月23日
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鑑賞方法:映画館

興奮

前作「怪獣惑星」の続編。
二万年の歳月を生き抜いたゴジラ・アースの圧倒的な力の前に成す術無く玉砕した人類が再び戦意を奮い立たせ、特殊金属(ナノメタル)を集結させて総力戦で挑むメカゴジラ・シティー作戦。
しかし、ゴジラを倒すには人類がこのエネルギーと同化する必要があるとする異星人類に対し「人」としてゴジラを倒さなければ意味が無いと主張する地球人類の「無機と心情」の対立がこの作品の焦点となる。

人でなくなった「人」がゴジラに勝利することに意味があるのか?
仮にこの作戦でゴジラの撃滅に成功したとしても、この巨大なエネルギーを今後人類がどう利用するのか?
そして、心を寄せる人がそのエネルギーに呑まれそうになった時、初めてゴジラを倒すことに強い執着を持っていた気持ちが揺らいだ。

人類は自らが生んだ文明が負となって返ってきた時、初めてその過ちに気づく。
ゴジラが放つ圧倒的なエネルギーは人類が造り出した、地球を破滅させる文明そのものなのだ。
心情(ゴジラ)vs無機(メカゴジラ)という事なのかもしれない。
永遠に考え続けなければならない普遍のメッセージが込められていると感じた。

が、やはり多くのファンが想像していたであろうゴジラ型兵器との対決が観られなかったのは非常に残念。
ラストのゴジラの破壊による壮絶な悲惨さがメカゴジラが登場しなかったことで、やや薄まってしまった。
第三部の昇華に期待したい。

ハーシー・カイルトラス