「ファンサービスが良い」ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 tabletapさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンサービスが良い
続編だが、特に前作が大きくストーリーが進んだ訳ではないので
本来は視聴に問題はないはずだが、本作はハリーポッターシリーズファンへのサービスが多いので
新規視聴者からすると登場人物が多いのと「ほらファンサービスですよ」という露骨な演出に面白みを感じないかもしれない。
やたら「別れ」が多いのでやや鬱屈とした展開にげんなりするところでもある
ストーリーが三軸で展開される。
脱獄したグリンデルバルド
前作のキャラクターたちの騒動(ニュート)
クリーデンスの出生
そこにさらに過去の回想が入ってくる
こうした場面の切り替えはストーリーの起伏がいまいちに感じる要因になった。
ハリーポッターシリーズでは毎度のことなので個人的にはそれほど気にならないが、
前作『Fantastic Beasts and Where to Find Them』ではこの辺がうまく出来ていたので
残念に感じてしまう要素
特にクリーデンスはキャラクターとして常に不景気な顔で、演出不足、エピソード不足でかなり魅力に欠けるため
出生や行動に対しても興味が全くわかないので、彼のシーンは面白くない。
最後も驚きと言うよりしらけ感があった
印象深い、良かった所
・作品コンセプトは変わらない
ほぼすべてのシーンで魔法動物が関わるようになっているのは作品コンセプトを守っていて良い。
・ダンブルドアの登場
やっぱりダンブルドアはいい感じの畜生、無理難題を振りかけていく
・ナギニ!!!!
『ハリーポッター』では恐怖の大蛇だったナギニが登場、それがサーカスの見世物、着飾った美女として登場には驚いた。
・スパイ映画のテイストを感じる世界を股にかけた物語
『炎のゴブレット』でも登場したポートキーが出てきたのはとても良かった。
ニューヨーク、ロンドン、パリ、各地を移動する展開は良い、文書を手に入れるために潜入など
スパイ映画的で面白い
・"あのBGM"とホグワーツ
急にBGMが大きくなる。ここは完璧にファン向けの演出
一方で若いマクゴナガル先生はあまりスクリーンに大きく映らずピントも合わない
セリフは昔から変わらないし、変わらずお茶目なのがいい
「もっとちゃんと見せてほしい!」と思うところ
・ダ「(グリンデルバルドとは)兄弟よりも親しかった」
驚愕の発言、これは次回作でも引っ張られてびっくりした。
ダンブルドアの子供が出てこないのも理解できる設定だが・・・
・ニコラス・フラメル
『賢者の石』のあの人がここで出てくるか!そしてちらみえする賢者の石!!
・グリンデルバルドの行動理由
ヴォルデモートの極めて小物な行動に対して、こちらは人間の問題を知った上での行動というのが良かった
だがその行動理由に合うもっと悪役としての厚みが出るように設定をしてほしかった。
・"ニワトコの杖"
次回作とセットで観る作品ではあるが、次回のグリンデルバルドのキャスト変更が痛い
ハリーポッターシリーズは長い作品だからキャスト変更は仕方ないところだが
悪役の変更は流石に厳しい