「中継ぎ回」ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 さばたんさんの映画レビュー(感想・評価)
中継ぎ回
前作は、魔法動物とかつてのニューヨーク、そして主人公ニュートの人間性をしっかり描いた作品であったのに対し、今作は前作で作った世界観をベースに本筋の物語を進めようと試みた作品となってました。
いまいちと思う点は映像と脚本と衣装です。
①映像
出だしに始まり、今作では激しい戦闘シーンや、緻密な街や建物内部を舐めるように眺めるシーンが数多くありましたが、映像の動きが多く、緻密な部分がほぼ残像で分からず、残念でした。悪の台頭を物語の軸にしている分、映像も全体的に暗め。馬車内部も、暗いよ!見えないよ!って感じ。座席位置(スクリーン手前)または映写機のフレームレートが悪かっただけかもしれません。
②脚本
専門家ではないので、上手く考察はできませんが、とにかく情報量が多くて、散らかっている印象。地理的、時間的に跳躍するシーン切り替えが多く、何が何らやわからなくなってしまいました。墓地から闇の集会にもつれ込むシーンの脈絡がまったく分からず。そもそもファンタビなのに、魔法動物の登場がかなり控えめ。ちょい出のベビーニフラーは今後の作品で活躍なのか?最後にニュートが、クリーデンスは魔法動物を甘く見てる、って言ってたけど、そもそもニフラーがあれを盗ってきたのって、たまたまやないかい!とツッコミ入れたくなりつつ。あと、最初の魔法省での面会で、登場するやニュートが嫌悪感を表したあのおっさん誰なのん?なんでニュートは嫌悪感を示すの?誰か教えて!っとなったり。
③衣装
前作が全体的に衣装がオールドアメリカの可愛らしい雰囲気だったのに対して、今作はくすんでいる印象。ヨーロッパが舞台だからここは仕方ないのかなぁ…。最初の違和感がクリーデンス。衣装、髪型がいきなり変わっていたせいで、キャラ印象が変わってしまい、おクリーデンスさんです?という印象。単なるおっさんになってると思ってしまいました。また、前作では華やかな衣装のクイニーも、最後に闇堕ちするためもあって衣装はお暗いものに。クイニーってヤンデレっぽそうね。
恐らく、今作は今後の作品で軸となる大きな物語の序章なので、暗い作品になるのも仕方ないとは思います。原題がグリンデルバルトの脅威だったと思いますし。今後の作品を見た後に、振り返った時に、あーそういうことだったのね、と思えるような作品であると願っています。そういう割り切りをもってハリポタワールドを楽しめるのなら、今作は必見かと思います。一方で、背景知識なく流行り物に飛びつくタイプの方は鑑賞は厳しいと思います。少なくとも前作は見ましょう。ハリーポッターの事前鑑賞も推奨です。