「本気のアクション映画として最高!」銀魂2 掟は破るためにこそある つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
本気のアクション映画として最高!
「銀魂2」はアクション映画として普通に、いやかなり面白かった。この直前に「アベンジャーズ/エンドゲーム」を観ていて、ハリウッド最前線のアクションを観ている上で、なおかつ「スゲェ!」と思えるクオリティなんだから本物だ。
何が凄いってとにかく予算のかけ方。俗っぽい話で恐縮だが、前作のヒットが予算を大きく増やしたのだろう。カット割りの繊細さ、編集の巧みさは段違いに良くなった。
CGとの合成が滑らかでバレットタイム風に仕上がっている場面、小物のアップから違う場面のアクションに繋げるスピード感など見所目白押しだ。
やっぱり予算は大事。爆発だけが予算じゃない。ギャラだけが予算じゃない。編集にどれだけ時間をかけられるか、どれだけこだわれるかも予算に絡んでくるのだ。大ヒット万歳である。
前半のギャグパートは鉄板の将軍エピソードを軸に、本気の俳優陣が全力でアホな事をやっているのが良い。ちょっとくどい感じは否めないし、正直あともう少し長かったらさすがに評価は下げざるを得ないと思うが。
柳楽優弥のトッシーと土方の演じ分けは最高だ。ギャグとして機能した上で、さらに後半の盛り上がりでも胸の熱くなる2役(?)だった。
びっくりすることに、後半のクライマックスで不覚にも落涙してしまった自分がいた。あんなド直球を観せられて、でも感動してしまったんだから仕方ない。まさか「銀魂」で泣くとはなぁ…。
この直前まで、三浦春馬のシーンが以前に出た映画のパロディかと思える出来で(ふんわりした光の差し込みかたとか本当に似てた)爆笑していたにも関わらず、だ。
その映画は本気でシリアスに作ろうとした最低の出来の映画だったのに、半分ギャグのこの映画ではなかなかに感動的なシーンだった。
三浦春馬は素晴らしい俳優だ。伊東もエレ…(咳払い)も良かったんだけど、やっぱり映画全体の出来に左右されるものなんだろう。感動の度合いは完全に「銀魂」の方が上。
あらゆるものが前作より大幅にパワーアップして、完全に前作を超えた面白さだった。
時代劇の敷居が高くなって、単純にカッコいいと思える刀剣アクションを気軽に観られる機会も少なくなった。「銀魂」みたいに気軽に楽しめる時代モノがあるのは素晴らしいと思う。