「続編 前作は超えるためにこそある」銀魂2 掟は破るためにこそある おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
続編 前作は超えるためにこそある
前作に比べて、アクションシーンはかなり見応えがありました。加えて、中盤以降のシリアス展開では、前作以上に熱いものがあり、銀魂らしい良さがあったと思います。これは、三浦春馬さんの演技によるところが大きく、いい仕事してるなと感じました。ただ、もう少しうまく伊東鴨太郎の内面を描いていれば、もっと感情移入できたかもしれません。
新キャラで言えば、窪田正孝さんの河上万斉もなかなかハマっていたし、バトルシーンも迫力がありました。別の場所で行われている別のバトルを、巧みなカメラワークでつなぎ、何度も行き来していたのもかっこよかったです。ただ、そのせいで、戦いの裏にある思いや戦いの意義に目が行かなくなってしまい、結果としてそれぞれのバトルが観客向けのパフォーマンスのように軽く感じられてしまったのは、少々もったいない気もしました。
本作は、原作の将軍接待篇と真選組動乱篇を融合させたストーリーらしいですが、後半のシリアス展開になってからの方がテンポがよかった気がします。というのも、それまでのギャグ編が、おもしろくはあるのですが、少々くどくてダラダラ続いているように感じたからです。あと、役者さんたちの振り切った演技はさすがプロという感じなんですが、その頑張ってる感の方が強く伝わってきてしまいました。結果「はい、ここ笑うところですよ!」って言われて笑う感じで、純粋に笑えたかというとちょっと微妙です。お笑い芸人さんのような間とテンポで見せてくれたら、また違った印象になっただろうと思います。特に、原作未読の自分には、笑いをちりばめながらも、ストーリーを丁寧に進めてくれるような展開だとありがたかったです。
決してつまらない作品ではありませんが、脚本、構成、編集、演出等、もう一工夫あればさらにおもしろい作品に仕上がったのではないかと思います。