劇場公開日 2018年5月25日

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「夢追い人達の純愛物語」恋は雨上がりのように みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0夢追い人達の純愛物語

2022年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

本作のテーマは2点。歳の離れた男女の青春純愛物語。人生において夢を持ち追いかけることの大切さ。端的に言えば青春と夢である。爽やかなテーマなので、観終わってクリーンな余韻に浸ることができる。

主人公・橘あきら(小松菜奈)は、陸上競技の有力選手だったが、怪我で自分の夢を諦めてしまう。彼女は、偶然立ち寄ったファミレスでバイトを始め、45歳の店長・近藤正己(大泉洋)の包み込むような優しさに次第に惹かれていく。店長も、彼女の普通ではない態度が気になり、彼女に惹かれていくが・・・。

冒頭が出色。あきらの自らの夢に挑むような鋭い眼光と力強い疾走は、本作のテーマである青春と夢そのものであり、一気に作品世界に惹き込まれる。本作は、あきらの恋愛対象を45歳の男性にしたことが奏功し、青春映画という枠を超えている。青春時代を過ごした中年男性の視点が加わったことで青春に肩入れし過ぎず、冷静に青春を捉えている。

また、本作は、店長の自宅の描写で、まだ夢を追いかけ、諦めていない店長の心中を見事に表現している。ともに夢を失いかけているあきらと店長。そんな2人の純愛は、2人を覚醒させる。その後の2人の行動は、人生において大切なのは、夢を叶えることではなく、夢を持ち続け、諦めずに追い続けることだということが伝わってきて、胸が熱くなる。

主人公あきら役・小松菜奈の青春そのものを体現した演技が光る。不器用で脆いが一途で一生懸命な高校生を好演している。豊かな目の表情で喜怒哀楽を表現している。特に夢を諦めた時のやり場のない怒の演技が見事。対する大泉洋も、相変わらずの演技巧者振りで、現実生活に疲弊しながらも、夢を諦めずに追い求める店長の姿を表現している。

ラストシーン。今後の2人の関係性に含みを持たせた味のある台詞のやり取りが心地良い。本作は、歳の離れた男女の日々を丁寧に綴ることで、青春の素晴らしさ、夢を追いかけることの大切さを得心できる良作である。

みかずき
カルヴェロさんのコメント
2022年6月17日

訪問ありがとうございます
みかずきさんのレビュー、感銘いたしました
もう一度本作品を見直したいと思います。
レビューってこうやって書くのだな〜と勉強になりました。
ありがとうございますです。

カルヴェロ