「茶道が教えてくれたこと」日日是好日 eichanさんの映画レビュー(感想・評価)
茶道が教えてくれたこと
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主人公の心の成長を茶道を通して描いている。茶道の本質は一期一会の客人へのもてなしで、形で表し、そこに心を込める。そして込めた心をまた形で表す。古代中国の思想家、孔子の仁と礼の思想に似ている。その客人へのもてなしを、日本の風土のその都度の四季を織り交ぜ、茶道は芸術にまで昇華させた。映画に戻ると、四季折々の映像と茶室、茶道具、茶菓子まで全て美しかった。主人公を始め門人達の所作や佇まいの上達の様子も丁寧に描かれていた。物語では、そこに主人公と周りの人々の人生模様が絡んでいく。就職、結婚、親の死。主人公の人生は決して順風満帆ではない。挫折や死別にさえ見舞われる。そして主人公は時に自分の悲運に号泣する。しかし次第に悟る。四季は流れ、良きも悪きも一切は過ぎてゆく。日日是好日。毎日が初めて訪れる素晴らしき日であると。それを気付かせてくれたのが、主人公にとって茶道であった。今度はそれを後進に伝えるために、指導の側にまわるようだ。
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