「茶道の入門用映像」日日是好日 エイブルさんの映画レビュー(感想・評価)
茶道の入門用映像
茶道と人生、みたいなテーマの、道徳の授業映像くさく、説教じみた作品。
茶道ってなんだろう? と少しでも興味がある人には、多少愉しめるような内容かもしれないが、それはたとえば、「マンガでわかるプラトンの哲学!」みたいなハウツー本の体裁をとるがゆえに、人類の大哲学が、単なる実用書に成り下がる実態のような、あまりにもファストフード的消化に終始している。
映画だから仕方ないか。
映画の限界か。
日本の季節感である、二十四節を実感させつつトントン進むリズムは、小気味好かったし、映画の力だなあ、映画館で観て良かった、と思えた。
しかし、黒木華が、やけに、でぶ。
多部未華子、やけに、肌汚い。
また、大森監督ジルシ、例の、劇画チックな演出とセリフが随所に悪目立ちしたが、
樹木希林にはそれが見当たらなかった。
畏れ多くてさせなかったのか?
それが功を奏したか、樹木希林の居るシーンは際立って良かった。
あまりに単純だが、こんな凄い人が呆気なくも死んだのだな、と思い出して、落涙した。
他にも愚痴を。
弟役は要らなかった。全く要らなかった。
父の死に際しての感情表現が、クドい。ゆえに、冷めた。
鶴田真由の、どこも素敵ではない、むしろ不気味な感じは、何とかならなかったのか。
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