ジム&アンディのレビュー・感想・評価
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カメラの前にいるのは誰なのか
新たなメイキング映画の傑作の誕生だ。ミロシュ・フォアマン監督、ジムキャリー主演の『マン・オン・ザ・ムーン』のメイキング映画なのだが、実在したコメディアン、アンディ・カウフマンを演じるジム・キャリーが撮影中以外でも役から抜け出せず、カウフマンとして振る舞い続け、スタジオに混乱をもたらす様子を捉えている。カウフマンの家族とも対面し、本当の家族のように振る舞ったり、カウフマンと同様にわがまま放題言いまくり、巨匠監督を困らせる。あまりに常軌を逸した行動が映っているので、パラマウントがこの映像を封印していたと言う。 カウフマンは、持ちネタでトニー・クリフトンという歌手を演じることがある。カウフマンがトニーを演じる時もこのようになりきっていたようで、映画の中でトニーを演じる時、ジムはトニーにもなっている。何重にも入れ子構造になって、今カメラに映っているのは誰なのかわからなくなってくる。芝居とは、人間の実存とは何かについて深い思弁を与えてくれる作品だ。
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