ロープ 戦場の生命線のレビュー・感想・評価
全67件中、21~40件目を表示
雨は皆平等に降り注ぐ
井戸の死体をロープで
引き上げるということが主体だが
そこからのストーリー展開が
コメディタッチでありながら
戦争の惨さを強く訴えかけてくる
戦争の話しを重くリアルに描いた作品は多いが
コメディタッチに伝えているものは数少ない
期待しすぎた!ただのお使い映画
あらすじをサラッと読んだら面白いかな?と思って観ましたが期待外れ。全体的に地味でパッとしません。何が伝えたかったのかもよく分からない。他のレビューだとブラックユーモア的な映画らしいですが自分的にはあんまり好みではなかったです。
A Perfect Day
いやー、良い。デルトロも良いし、映像も脚本も全部すき。
戦争の悲惨さ…とか、人道支援とは…みたいな説教くささは無くって
生身の人間の至らなさとか、それでも前を向く強さみたいなものが描かれてた。
ほんと見てよかった。
タイトルなし
ベニチオ・デル・トロの好演が光る良作。ボスニア紛争地区の国境なき水と管理財団のチームが協力的でない地元民、規定だからと井戸に落ちた死体を動かさない国連軍に邪魔されながらも、自分達を待つ人々がいるからという使命で、道に死ぬ牛に仕掛けられた地雷の罠や、子供に拳銃を向けられるなど命の危険を回避していく姿を描いている。ジョークや、いきなり掛かる音楽が良い。国連軍に捕虜は助けられ、雨で井戸の水位が上昇したことで死体が浮かび、取り除けたラストが素晴らしかった。
ままならなさ
ベニチオデルトロに惹かれて鑑賞。
オープニングの演出が良く、わくわくしました。
本作は戦争による被害やそれに関わる人の心情を描いています。ドキュメンタリー調で、リアリティが感じられました。それなのにコメディチックなチグハグ感がおもしろかったです。
ロープがなかなか手に入らないところなんかはおもしろくはあるのですが、全体的に展開がゆっくりなので、退屈に思う人もいるかもしれません。このままならなさも本作のメッセージと捉えられるかもしれません。
キャラとしてはティムロビンス演じるビーが愉快な性格で好きでしたね。
ベニチオデルトロはいつも通り格好いいのですが、『ボーダーライン』に比べると輝きは控えめに感じました。
感情移入したのはメラニーティエリー演じるソフィーでした。
停戦中の話ということもあり、戦争の悲惨さはダイレクトには描かれていません。しかし、考えさせられる演出がされています。ラストはストーリー展開はもちろん、曲も良かったです。
真綿で首を絞めるように、じわじわと感じる異常な戦場の日常。
戦争状態のバルカン半島において、人道支援のために奮闘するNGO団体職員の姿を描くブラック・コメディ。
主人公マンブルゥを演じるのは『スナッチ』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のオスカー俳優ベニチオ・デル・トロ。
マンブルゥの同僚Bを演じるのは『トップガン』『ショーシャンクの空に』のオスカー俳優ティム・ロビンス。
マンブルゥの元恋人で、NGO団体の査察官カティアを演じるのは『007/慰めの報酬』『オブリビオン』のオルガ・キュリレンコ。
舞台は1995年のバルカン半島。
昔世界史の授業で、「ヨーロッパの火薬庫」と習った場所。
世界情勢に疎く、映画の舞台となった環境に対する知識がなかったため、映画鑑賞後に調べてみました。
この映画で描かれているのは「ユーゴスラビア紛争」といわれるもの。
ユーゴスラビア社会主義連邦共和国は6つの国家からなる連邦国家で、多様な民族で構成されていたようです。
冷戦終結後、各国家で独立の動きが起こり、そこに民族主義の動きが加わったことにより泥沼な戦争状態に突入してしまいました。
作中の登場人物であるニコラ少年の親は、どちらか片方がムスリム(ボシュニャク)人だったようですが、ボシュニャク人は「スレブレニツァの虐殺」というジェノサイドの対象になるなど、かなり虐げられていた人種のようで、そのことが作中の悲劇にも繋がっているのでしょう。
作中の時代設定である1995年以降も戦闘は続き、現代に至るまで完全な解決には至っていない…。
停戦状態のバルカン半島で活動するNGO団体職員のマンブルゥ、ビー、ソフィーと、現地通訳のダミール。
この4人が井戸に投げ込まれた死体を取り除くべく、ロープを探して奔走する中、査察官のカティアと現地の少年ニコラとも合流する。6人で戦争地域を移動しながら、戦地のリアルを目撃していくという一種のロードムービー。
生々しい戦争を描いているが、戦闘行為は一切なし。発砲するシーンすらない。
描かれるのは戦争と戦争の合間の淡々とした日常であり、その中で仕事をするNGOの姿だけである。
従って、ちょっと退屈といえば退屈かもしれない。
実際睡魔が襲ってくることもあった。
基本はコメディタッチであり、ビーとダミールのやりとりや、真面目で融通が効かないソフィーの態度などには笑わせてもらえる。
戦場にいながらも痴話喧嘩をくり返すマンブルゥとカティアの姿など、世界中何処でも見られる何気ない日常のようである。
しかし、ユーモラスなキャラクターたちの裏側には暗い戦争の爪痕が随所に見られる。
ロープの一本を手に入れるのにさえ苦労するという異常な事態。
国連軍の介入により緊張感が増す現地の様子など、まるでドキュメンタリーのような緊張感がある。
そして、クライマックスのあの何とも言えないやるせない感じ。
外部の人間による支援と、現地の住民との軋轢。
融通が効かない規則により活動が制限されざるを得ない現実など、やるせない気持ちにさせられる。
しかし、死体一つ片付けられない現実に打ちひしがれながらも、次なる仕事に向けて晴々とした表情で向かう主人公達一行の姿には確実に人間としての尊厳の姿を見ることができ、鑑賞後には晴れやかな気持ちになることは間違いなし。
原題は「A Perfect Day」。
この題を皮肉と取るか、戦闘行為の起こらない完璧な一日であるととるかは観客次第か。
ベニチオ・デル・トロがシンプルに好き、っていうのもありますが。
乱暴に言うと「1本のロープを求めて探し回る」映画。…なのだけれど、その行為が「紛争地帯」で行われるだけで、こうも困難な事なのかと思い知らされる。
けれど決して暗い雰囲気の映画ではなく、監督も言っていったが「パンク」な精神で描いている。それは、映像がぶっ飛んでいるわけでもなく、紛争地帯で活動する支援活動家の「志」がパンクということ。ルールに則り、ルールに抗い、敵を見定め、他者が自分が、どうすれば「生き残れる」かを軸に活動している。すごく見やすい映画。センセーショナルな場面も多く、ショッキングな描写もあるが、現実として映画として受け入れられる範疇だと思います。
オチも素敵。観ると(…でもそういうことよね)と、「自分のできることを精一杯する」ことで物事がどうなるかが、わかる。わからせてくれる。素晴らしい映画。
原題は皮肉ったタイトルなのか。邦題も微妙
キャストに比べると地味な小品
ブラックコメディとしてみればいいのか?
一見不毛かと思われる国際援助活動
国連軍の役立たず感は他の映画でもよく出てくるが本当にこんな感じなのかな
ラストの奇跡が救いに
エンディングテーマはマレーネデートリッヒが歌う「花はどこへ行った」有名な反戦歌との事。本編で流れるのは似つかわしくないゴリゴリロック
ティムロビンスがあまりやらない役どころ。
女癖が悪い設定はデルトロっぽいが彼の役柄もまた珍しいかも。
フランス人女優が新人感を出してていい。
オルガキュリレンコが野ションする。
1995年、ユーゴスラビア紛争停戦直後の「バルカン半島のどこか」。途中でボスニア言うた。
地雷原
意外と軽妙なコメディ
と思わせといてガツンとくる。
ただこの日常の中の戦争/戦争の中の日常とゆるい空気感は同じ地域と思われる『オン・ザ・ミルキー・ロード』を思い出した。全然違いますけど、笑い飛ばさなきゃやってられねえという感じがしてね。
こんな終わりじゃやりきれんと思った
?…!!
先のことは分からない
先のことは分からなくても人間は介入してしまう。
地雷原を歩く老婆は牛に前を歩かせ着いて行く。
でも、牛のいない人間たちにはやはり先は見えない。
よかれと思った行動がどのような結末に繋がるかは先には分からないのだなあと思った。
牛の死体と地雷
「これが戦争だ」。いや、戦争は和平条約によって停戦が結ばれたはず・・・なのに、現場は違っていたのだ。国連が中立を守るというのも理解できるが、だからこそ色んな法律が邪魔をして、何も出来ない状況に追いやられる矛盾が感じられる。
冒頭の井戸でのローアングル映像。緊迫感漂わせておいて、ロープが切れてからはジョークの連発が続き、どこで笑っていいのかもわからなくなる。とにかくロープを探すためにマンブルゥ(デル・トロ)とビー(ロビンス)のチーム。山道で牛の死体が置かれている状況ではどこかに地雷があるんだと力説するビーだったが、新人活動家ソフィー(メラニー・ティエリー)は冗談だと思って真剣に取っていない。いや映画を観ている者でさえティム・ロビンスのジョークだと思ったはずだ。「国家なき水と衛生管理団」の日常も多分にやりきれないほどの汚物や死体を見ているはずで、ジョークで気を紛らわすしかないのだと感じられる。
ショップでは主人に「売り物のロープに触るな」とか「首吊り用のロープだからダメだ」とか言われ、これもどこまでがジョークかわからないほど。大体、通訳のダミール(フェジャ・ストゥカン)にしてもちゃんと通訳してるのか心配になるほどジョークに満ちているのだ。
一人の少年ニコルと出会ったマンブルゥチームはロープのついでにサッカーボールも見つけなければならなくなり、彼の自宅へと向かう。そこでは犬が繋がれたロープもあったが、狂犬だからと説明を受けうまくいかない。さらにニコルの両親は安全なところにいると信じ込まされたいたが、庭先には首吊り死体が・・・。もう伏線がすべて繋がっていくブラックユーモア。
マンブルゥの元カノ・カティヤ(オルガ・キュリエンコ)がやってきて、彼の浮気度合なんて話はあまり笑えなかったのに、カティヤがみんなの前で野外おしっこする羽目になった。笑えない。彼女はこのためだけに配役されたのかとも思ってしまうくらいでした。
「これが戦争だ!」という言葉は強烈。明らかに捕虜を捕まえていた地元軍に対しても何もできないし、全ては国連軍の指示と法律を遵守しなければボランティアさえ出来ない状況なのだ。結局井戸の死体には触れないと言われ、ほったらかし。そんな終盤に次の仕事が入ってきた。難民キャンプのトイレが詰まってしまった・・・。これも戦争なんですね・・・
その終盤に流れてくる曲が「花はどこへ行った」。反戦歌の代表曲として知られるこの曲の歌詞がしみじみ伝わってくるのですが、クレジットを見るとマレーネ・デートリッヒが歌ってるバージョンだった。最後に、原題タイトルがバーンと出てきたとき、すんごい皮肉ったタイトルだったんだな~と、オチとともに評価が上がってしまった。
私には難しかった‼︎
観終えた後にこの作品の意図をインターネットから読んだのですが、私には難しかった…あと、ちょこちょこティム・ロビンスがブッ込んでくるブラックユーモアがイマイチ理解出来ないというか、クスッと笑えなくて。残念。
井戸に死体を投げ入れた人達も雨が降れば水面が上がって自然の摂理で解決しちゃう事も見越しての短期ビジネスだった、っていうのは分かったし、結局はマンブルゥ達部外者はあんまり内部の事はわかるはずもなく。
周囲がロープ1つにどんちゃん騒いでもあんまり意味は無いのです、その国にはそこの風土があり、人があるのです…というちょっと切な寂しいメッセージ性は痛かった。
あとはカティヤが最高にうざかった。あんな地雷まみれの戦地で男の事ばっか考えてピーピーうるさくて、ホントああいう役柄最近見るのも嫌だ〜!!
じんわり良い
バルカン半島停戦直後の紛争地帯で地元住民を助ける国際活動家たちの一日を描いたお話。
地味だけど良かった!
一本のロープを探す話にどう90分もたせるのかと思ったけどその道中で戦争とはを重くなりすぎないようコミカルに描いていく。
主演のトロ様が最低なのにめっちゃいい男で困った…
私達はこういう映画を通してでないと戦争状態とはこういうことなんだ、と知ることができないんだよなぁ。
理不尽な理由で道が通れないこと、支援をしたくても外国人だから協力を拒まれること、普通が存在しないこと、誰かを助けても報われないないこと、外国人の助けがなくても問題は解決できること。
決して主人公たちを英雄のように描かない、というかこの日の彼らは何も役に立ってないところがハリウッド資本じゃないな〜と思った。
それでも戦地の人たちを見捨てて国に帰らない、雨の中問題の地点に向かう彼らの車が何とも陽気で鑑賞後はスッキリしました。
不思議な映画。
ディア・ハンターのように1つのロープを通し実情を描く
個人評価:3.8
簡潔で短いストーリーだが、停戦直後の実情や、活動家「国境なき水と衛生管理団」達のジレンマを1本のロープを通して、その場の空気感・温度まで上手く伝えている。
かつてディア・ハンターでマイケル・チミノがロシアンルーレットの一発の弾丸を通しベトナム戦争の悲惨さを伝えたように。
(コッポラは3000万ドルかけた戦闘シーンでベトナム戦争を描いた)
大作とは言えないが、伝えたい実情をポップにストレートに描いている。
デル・トロやティム・ロビンスなどキャストが豪華なので、短いが見応えはある。
これはいい映画だ
旧ユーゴスラビア諸国の民族戦争を新たな視線で描いたヘビーかつエンターテイメントな傑作。
エキセントリックではない優しい佇まいのベニチオ・デル・トロ、そしてティム・ロビンスの共演がうれしい。
Fxxk fat! 紛争地域の日常
ベニチオ・デル・トロ、ティム・ロビンス、オルガ・キュリレンコという俳優陣に惹かれ観に行った今作。内容の方はあまりチェックしていなかったのですが、意外と楽しめました。
舞台はユーゴスラビア紛争直後のバルカン半島の何処か。バルカン半島と言われても東欧って日本からは遠すぎて、いまいちピンとこない方がほとんどではないでしょうか?かくいう私もその1人です。ちょっと検索してみてもゴチャゴチャドロドロしすぎてて・・・とてもシンプルに説明できる物ではありませんでした。
でもその複雑さってモロにこの作品にあげられているんですよね。単純に水源を確保したい国際活動家に対して、よく分からないプロトコルを持ち出し妨害する国連軍だったり、売ってあげない地元の店だったり、そもそも井戸に死体を投げ入れたのは水を売りたいマフィアだったり。特に国連軍のくだりとか「もう30分ぐらい待ってやれよ」ってスゴく思いました。
登場するキャラクターも全然ヒーローじゃなく一般人なんですよね。だからいじめられてる男の子を助けたくもなるし、普通に男女の喧嘩もする。地雷があると動けなくなるし、軍の命令には従うしかない。全く英雄的な行動をすることはないのですが、それがとてもリアルでした。
実際国際ボランティアで紛争地域に行ったとしても、ままならない事ばかりなんでしょうね。絶望しながらも、妥協しながらも、それでもできる事をやる、井戸はダメだったけどトイレはやってやるっていう大人の行動にしんみりしました。
全67件中、21~40件目を表示