ピンカートンに会いにいくのレビュー・感想・評価
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内田慈単独初主演映画
監督と脚本は『決戦は日曜日』の坂下雄一郎
大人の女たちのコメディー
10代の頃いまひとつパッとしなかったアイドルグループのリーダーだった神崎優子
解散後もソロでタレント活動を続けるも一向に売れることはなくコールセンターの派遣も掛け持ちしてなんとか食い繋ぐ日々
しかし売れないやる気がないおまけに無許可の取っ払いがバレるなどして所属事務所を解雇され崖っぷちの優子
かつて少年時代にピーカントンのファンだったレコード会社社員の松本浩一の企画を持ち込まれてもはじめは乗り気じゃなかった優子だったが背に腹を変えられず昔のメンバーを訪ねグループ再結成を目指すことに
公開は2018年1月
仙台ではフォーラムか今は無きチネ・ラヴィータで公開されたようだ
映画.comでは制作年が2007年になっているがそんなわけがなく勿論正しくは2017年である
おばさんが若い頃の仲間たちを訪ねみんなで集まるという設定は2011年制作2012年公開のシム•ウンギョン主演『サニー 永遠の仲間たち』を彷彿させる
サニーは日本でもリメイクされ『ピンカートンに会いに行く』が公開された同じ年の8月に篠原涼子広瀬すずW主演『SUNNY 強い気持ち・強い愛』として公開されている
名バイプレイヤー内田慈
女性だとかなり卑猥に感じるのは自分だけだろうか
おじさん俳優には使うが女性俳優にはあまり使わない理由がそこにあるのかもしれない
内田慈は元々舞台中心に活動していた俳優
彼女の初主演映画と紹介されているが厳密に言うと初主演映画は2008年制作2009年公開の『ロストパラダイス・イン・トーキョー』である
今回の作品は内田慈単独初主演映画といえる
ピンカートン
およそ女性アイドルグループのグループ名とは思えない
優子の口癖なのか「はぁ!?」が印象的
藤塚美紀の自宅を訪れた優子が椅子に座って美紀の話を聞くシーン
美紀の3人きょうだいの末っ子の幼い男の子が優子の両太腿にちょこんと座るわけだがそのときの内田慈のリアクションが良い
葵の最終所属事務所関係者が延々と葵をディスるわけだがそれが自分と重なり沸々と鬼の形相になる優子を演じる内田慈の芝居が素晴らしい
優子が葵に会うための公園でのイメージトレーニングが笑える
再結成ライブ内容そのものはちょっとした事故である
当たって見事に砕け散った
おニャン子クラブとかAKBの神7とかそのクラスじゃないと無理だね
配役
アイドルグループ『ピンカートン』の元リーダーで今は売れない女優を続けているプライド高い神崎優子に内田慈
優子のアイドル時代に小川あん
『ピンカートン』の元メンバーで1番人気だった中川葵に松本若菜
葵のアイドル時代に岡本夏美
『ピンカートン』の元メンバーで今は3人の子持ちの藤塚美紀に山田真歩
美紀のアイドル時代に柴田杏花
『ピンカートン』の元メンバーで優柔不断な五十嵐かおりに水野小論
小論のアイドル時代に芋生悠
『ピンカートン』の元メンバーで今は中学生の娘がいる渡辺葉月に岩野未知
葉月のアイドル時代に鈴木まはな
『ピンカートン』再結成を持ち掛けるレコード会社社員に松本浩一に田村健太郎
【”夢を諦めきれない。”アイドルになる事の大変さ。アイドルでいる事の大変さ。アイドルを引退した後の大変さをシニカル且つコミカルに描いた作品。】
ー 少し前だが、あるアイドルグループの売れる前の姿に密着したドキュメンタリー映画を観たことがある。
そこに描かれていたモノは、厳しい芸能界の真なる姿であった。
売れているアイドルグループが横に居る中での握手会のシーン。
大行列の人々を横目にしながら、自分達の前にはパラパラとした人の列。
だが、そのアイドルのメンバー達は笑顔を受かべ、一人一人に語り掛け握手をしている。厳しい世界だな、と思ったモノである。
更にグループ内でのセンター確保、及び人気によって歌う列が変わるというシステム。
”10代の若き女性に、何て仕組みを押し付けるんだ!〇〇〇!(敢えて、名は伏す)”と思ったモノである。(因みにそのアイドルグループは、今や大スターである。)ー
■かつて、ブレイク寸前で突然解散してしまった伝説の5人組アイドル・ピンカートン。
20年が過ぎ、リーダーだった優子(内田慈)は今も売れない女優を続けていた。
ある日、ピンカートン再結成の誘いが舞い込み、崖っぷちの優子は再起を懸け、元メンバー4人に会いにいくが、子供が3人居る女性や、反抗期の娘がいる女性や、30代の女性の現実を知る中、且つて一番人気だった葵(松本若菜)だけ消息が分からず・・。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・今作のメインを務める優子を演じる内田慈さんの魅力炸裂作品である。
30代後半でも派遣でコールセンターで働きながら、映画の端役で頑張る姿。
けれど、妙にプライドだけは高い姿。
ー 観ていて、可なりイタイ。だが、何だか応援したくなってしまうのである。そんなイタイ女性を内田慈さんが絶妙に演じている。-
・山田真歩さんは、矢張り存在感が素晴しいが(邦画の中堅女優さんとして、盤石の地位を築いている。)何よりも中川葵を演じた松本若菜さんの仮面ライダー電王でのデビューから変わらぬ美しさにヤラレル。
ー あー、ファンだよ。否定なんかしないさ。この映画だって、松本さんが出演しているから観たさ!幼き息子は佐藤健氏が変身した電王を、私は松本若菜さんを、ウットリと見ていたさ!-
<諸説あるが、トップアイドルになるのはそこそこ大きい企業の社長になるよりも難しいという説がある。更にその地位をキープするのは、加齢もあり至難の技だそうである。
今作は、そのような厳しい条件の中、アイドルの夢を諦めきれない30代の女性達の姿を描いた作品なのである。>
ライブシーンだけが心残り
これは誰が劇場に観にくるの?って映画なんだけど最高に面白いって所が更に愛おしさを高めてくれる映画。
40くだりのおばさんたちがアイドルを再結成するかどうかを巡ってあーだこーだ押し問答を繰り広げて結局ライブを一回やってみたら全然お客さん来ませんでしたという馬鹿みたいな話なんだけど、笑って泣けるのが映画マジック。
マジック繋がりで言うと、過去の自分と現在の自分が会話をするというマジックリアリズム。これもベタなんだけど、会話が生々しくて生きたシーンになっているし、アイドル再結成と聞くと芸道スポ根映画を想像してしまうのだけど、そうではなくて、「芸能界にしがみつきたいという自己欲求の塊の主人公が、昔の仲間たちと交流を持ち続けるうちになんでもいいからやりたい!という友情話になっていく」という人間関係を描いた群像話に仕立てている所が大人の涙を誘うのだ。
というわけで、ライブはおばさんたちが歌って踊るというだけのライブになってしまわざるをえないんだけど、ここはどうにかできなかったのかなと思う。曲の歌詞と映画の内容がリンクしてメイン2人が対峙するという構成にするとかやりようはあったと思うんだけど。ライブ自体はショボくて良いんだけど、ショボいだけだと映画的ではない。でんぱ組の曲みたいに個人のキャラを立てていく曲ならなー。
過剰な演技と不自然な演出
軽く見れます
いたいアラフォー大歓迎。
本当の夢は友情
夢の続き
メディアで取り上げられ誰もが知っているあれより、あまり知られてないけどこっちのほうが良いよね。
でも、こっちより更にそっちの方が良いよね。
映画、音楽、書籍、ジャンルを問わず、そうして進んでいった先はほとんど周囲に知っている人いない世界の端の端だ。
才能や実力に関係なく世界の端から中心で輝けるようになるは極々わずか、ほんの一握りのものでしかない。
世界はまだまだこの先を見たいと思わせられる途中で途切れた夢であふれている。
そんな世の理も理解していなかったあの頃の私たちにとって世界は毒を吐く対象でしかない。
『ピンカートンに会いにいく』はそんな世界の端から中心に踊り出ようとしていた瞬間に解散したアイドルグループ“ピンカートン”の20年後の物語だ。
リーダーだった神崎優子はグループ解散後もコールセンターで働きながら細々と芸能活動を続けていた。
そんな優子にかつてピンカートンのファンだったいうレコード会社の松本からピンカートン再結成の話を持ちかけられる。
2人は再結成のためにメンバーの元を訪れるが、一番人気のあった葵の消息がつかめず…。
ピンカートンのメンバーと松本は映画の後どうなっていくのでしょう?
再結成後の活動は続くのか、元の生活に戻っていくのか。
どちらにしても、20年前に止まっていた時間が動きだしているわけですから、以前とは世界が違って見えているはず。
かつての夢を諦められず、それでも頑張り続けるという映画は多かったけれど、『ピンカートンに会いにいく』はその先を見せてくれることに胸を打ちます。
世界にあふれている途切れた夢は、当事者だけではなくかつてファンだった私たちにもその先見れるかもしれない可能性あるんだよと。
この映画が一番ささるのはピンカートンメンバーと同じく夢をあきらめきれずに頑張っているアラフォー世代かもしれません。
でも、タイムマシンで過去に戻ってかつて世界の端から毒を吐いていた自分に、
今、世界の端から毒を吐いている若い人達に
たとえ今の夢が一度は途切れても未来はそんなに捨てたものじゃないんだよと観せて伝えてあげたい。そんな映画でした。
物語の力を感じた
面白い!
内田滋は、けして美人じゃないしスタイルもそれほどでもないし、たいていメンドクサイ役なのだが、妙に惹かれてしまう。
誰にでもある「あの時」
坂下監督は日本のビリーワイルダー!?
坂下雄一郎監督は「東京ウィンドオーケストラ」から演出力をあげた印象を感じました。
本編86分という凝縮された時間軸の中で非常にリズム感のある世界を構築されていました。
内田慈さんと田村健太郎さんの秀逸な間合いのお芝居はすばらしいです!
次回作品を期待しております^^
喜劇を洗い直したような喜劇
坂下監督は腕を上げたな。
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