劇場公開日 2018年1月27日

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「芸術家への偏見を補強できる稀有な作品」ゴーギャン タヒチ、楽園への旅 昭和ヒヨコッコ砲さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0芸術家への偏見を補強できる稀有な作品

2024年3月12日
PCから投稿

芸術家って気難しそう。
自分の興味にしか関心を持ってなさそう。
現実的なことを考えられなさそう。
自身の芸術が他の全てに優先されると思ってそう。
などと、「芸術家」への偏ったイメージは多い。
主にマイナス面で。

この作品はそんなクソ偏見をド直球に肯定するかのようなマジでダメな芸術家ゴーギャンを余すことなく見せてくれる。
スティーブ・ジョブズのド畜生ぶりをオブラートに包むことなく見せつけてくれたあの映画のよう。

タヒチの自然やその雰囲気は映像からはあまり多く感じられず、フランス領として文明に押し流されてつつあるタヒチの経過かのようにも見えた。
非常に常識的な客観的視点で描かれており、彼自身の芸術性についてはかなり控えめなような気がする。
私自身がレンブラントのような写実的で独自性のある表現をする絵画が好きなのでゴーギャンの作品の芸術性については解像度が低いのもあるやも。

ゴーギャン作品が好みの人にとっては彼の創造性がどのように積み上げられたものなのかの一端を知る手がかりになって面白いと思う。

昭和ヒヨコッコ砲