「タイムループものって」ハッピー・デス・デイ ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)
タイムループものって
最終的には主人公の成長物語なのよね、いろんな経験を積み重ねて。
典型的なビッチ大学生のツリーが朝目を覚ますとそこは男子大学生寮のカーターの部屋。その晩、誕生日の夜に仮面をかぶった何者かに殺害される。でも気がつくとまた誕生日の朝、カーターの部屋で目覚め、殺された日の朝に見たのと全く同じ光景が繰り返されていることに気がつく。
そして、その夜に殺害された弁場近くを通りそうになり、別のルートで逃げようとするもそこでまた殺害。そしてまたカーターの部屋で朝を迎える。
この繰り返しの中で、カーターに事情を話すと、自分を殺そうとしているのは誰かを突き止めては?と勧められ、そこから怪しい人をコッソリ観察しようとするもそこに仮面の犯人が現れて殺される、を繰り返す。
しかも、普段の素行がよろしくないツリーは思い当たる怪しい人がドッサリいるからなかなか核心に迫ることができない。
もう最初はどーしようもない尻軽姉ちゃんだったツリーだけど、こうやって何度も同じ日を繰り返すことで思いがけず自分を見つめ直す機会になったりして、段々人間として成長していく様がなかなかナチュラルに描かれつつ面白展開もあり無理のない展開。
友達?との関係性だったり、ストーカーかと思っていた男性が実は…だったりとなかなか細かいところまで凝っていて楽しい。
犯人誰なの?がもちろん一番の核心部分なんだけど、それだけに留まらず色んなものを解決していくツリーのポジティブさがめちゃいい方向に転がっていって、クライマックスに向かっていくツリーに観ているこちら側もニコニコしてしまう。正直、こんな心地いい気分になれる映画だとは思わなかった!すげーいいよー!
…となったところで!ほっほぉ~、来たねぇ。
一応ホラーのカテゴリーなんだろうけど、殺人シーンもあっさり描いてるし基本軽~いノリなのでコメディ要素が強め。更に人間の成長ドラマも家族の再生話もラブコメも仕込んでくる特盛弁当状態、だけど物語としてちゃんと消化できているから無理やり感がなくていい。
なんなら終盤ちょっと泣いたよね。ホラーで泣かせるってどうなんよ、好きやけど。
結局大きな謎は残るものの、それはさておき非常によくできた映画。
ブラムハウスの映画は当たり率高しとあらためて感じた作品だった。
星は文句なく五つ。続編も面白いらしいから楽しみ。