ザ・フォーリナー 復讐者のレビュー・感想・評価
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報復に終わりなし
きっと主人公のクアンも、元IRAの副首相ヘネシーも、そんな事は分かっているのだろう。
だが、二度に亘り理不尽な暴力で家族を失い天涯孤独の身になってしまった主人公には、復讐しないという道は見えなくなってしまっていたのではないか。ましてや殺人のスキルが身についていてはなおの事だろう。
殺人のスキルが身についているという事は手元に拳銃が有るという事と恐らく同義だろう。つまり誰もがジャッキー·チェンには成れないが、誰もがクアンにはなってしまうかも知れないという事だ。
ピアース・ブロスナン演じる副首相ヘネシーも、報復には終わりが無い事を恐らく服役により思い知ったのではないか。だからこそ副首相という立場になってもかつての仲間達と敢えて手を切らず、形を変えたシビリアンコントロールにより和平の道を探っていたのではないか。でなければリスクになるだけの仲間達とは手を切っていた筈だ。
今作の主人公はこれ迄のジャッキーならば決して演じる事はなかったキャラクターだが、制作まで担当しているという事は、現在の自分ならば反暴力を訴えながら復讐の道を行く主人公という難しい役も演じられると確信したのではないか。
結果笑顔を封印したジャッキーにより、よくある復讐物とは毛色の異なる映画になった。アクションも存分に楽しめるが、復讐を果たしスカッと終わる訳ではない、ズシリと重い作品だ。
さて、文が重くなったのでココから少しジャッキー映画としての見所を。
まずこの主人公の年齢、61歳です。つまりジャッキーとほぼ同年齢。それが?と思う方もいるでしょうが、自分の娘みたいな(時には孫、笑)ヒロインを置きたがるジャッキーとしてはこれは画期的な事でしょう。この作品にかけるジャッキーの意気込みが違うのが判りますね。
そして勿論アクションについては、安心のジャッキーアクションです。
え?今回はリアル路線なんじゃないの?とお思いかもしれませんが、コミカルさが無いだけでいつもどおり。むしろ近作では珍しい程の激しいアクションシーンを見せてくれてます。なにより走り方がいつものジャッキー(笑)。
あとひとつ、脱ぎます(笑)。ここんとこヌードの無いジャッキーでしたが、安心して下さい。脱いでますよ。さすがに股間隠して走ったりはしないが。
今作は現実を反映したアクション映画なので、登場人物も多く少々話が難解です。自分は字幕追うのになかなか苦労しました。その為にあまりテンポがいいとは云えないのですが、そこはあまり気にせずに。ジャッキーのファンなら観ておくべき作品です。
勿論、ジャッキーファンじゃあない方達にも、オススメ。
俳優としてのジャッキー
ジャッキーがトレードマークとも言えるコミカル要素(笑顔や慌て気味のカンフー等)を一切封印し、徹頭徹尾死んだ目をして復讐に駆けずり回る話。
大筋として、イギリス本土と北アイルランドの関係性やそれぞれの近代の歴史がバックボーンになっているので、その辺に馴染みの薄い普通の日本人(私です)には少々話が分かりにくいです。政治的な面でも結構入り組んだ構成になっています。
話の重要性としても、北アイルランド副首相を演じるピアース・ブロスナンの方が比重が大きかった印象で、ジャッキーは主人公のわりに影が薄かったような。
ジャッキーといえばのアクションシーンも少なめな上、作風に合わせて派手さも抑えめなのでなおさらのこと…
ただ、悲しみや怒りを表情だけで表現するジャッキーの凄みは最高でした。
アクション俳優ではなく純粋な俳優としてのジャッキーを見たい人は必見です。
うーん、ジャッキーでしたねー。
渋いジャッキーも良い
渋いダークヒーロー
う~ん…笑顔が消えた無口なジャッキーは似合わない❗
星🌟🌟🌟 007を撮った監督だそうですが…前半は普通の洋画のようでしたがジャッキーがしゃべらない、笑顔がないのと話の展開がまったりしていてちょっと退屈でした❗副首相役のピアース・ブロスナンを追い詰め始めたあたりから面白くなってきたのですが最初はストーカーぽくてちょっと怖かったです❗後半からカンフーアクションありのいつものジャッキーの映画みたいになったのですが…やっぱりジャッキーはコメディータッチの作品が似合う気がします❗ピアース・ブロスナンが引きの演技でジャッキーを立てているようでしたがちょっと逆効果みたいになってました❗北アイルランドとイギリスの関係ももっと詳しく説明した方が良かったと思います❗宗教がカトリックとブロテスタントと違うとか…何だかまとまりがないような感じでちょっと残念な映画でした❗
笑顔は封印
ジャッキーが静かに
政治的深みのある話だった
乱暴(ランボー)なジャッキー
舞台となるのはイギリス。北アイルランド問題が絡み、UDIというテロ組織による爆破テロによってクアンの愛娘が命を落としてしまう。ダンスの前には恋人を紹介しろよと苦笑いとも困惑の表情ともとれるジャッキーが笑顔を封印。やはり笑っちゃダメなんだな・・・こんな悲しい事件が起こるなんて。
UDIとか名乗っていた組織。多分架空の組織名だろうけど、カトリックと言ってたことからある程度想像できる(実はよく知らない)。そんな複雑な政治状況下に加えて、ロンドンとベルファストを行ったり来たりするものだから、かなり混乱しがちですが、中盤からはヘネシー副首相(ブロスナン)の別荘が中心となるのでわかりやすい。
ジャッキー演ずるクアンは料理店を店員ラムに任せて復讐の旅に出る。家族は過去にタイの海賊に殺されてた経緯もあり、もう失うものは何もない。そんな哀しい男の背中を見せてくれるジャッキー。一方、ブロスナンも30年前には過激派にいたことがある過去があり、彼の家族も残りわずか。愛人も作っていながら、実は利用されていただけという裏切りもあり、また呼び寄せた甥のショーンも妻と関係を持ちながら利用されていたという、二重三重となる裏切り劇が発覚したのだ。最後には誰も信用できなくなる彼もまた孤独な部分を魅せてくれた。
森の中では元米特殊部隊にいたことも明らかになったジャッキーが様々な罠を仕掛けていたり、爆弾についてやたらと詳しかったりする姿。ランボーっぽい展開の中にもカンフー技が炸裂していた。
2000年代からジャッキー作品はたまに泣かせてくれるラストを用意してくれていますが、今回もちょっと泣けた。ラムとの関係は単に店長と店員だったのだろうけど、全てを失ったジャッキーといい関係になることは想像に容易い。狙撃を中止した英断にも泣ける・・・
笑わないジャッキー
ジャッキーと言えば、カンフーアクションの中に、コメディータッチの笑いを散りばめた作品が多いのですが、今回は、一切の笑いを封印した、シリアスなサスペンスアクション。
ジャッキーのあの死んだような目の表情は、これまでになかった。それに、アクションにもカンフーアクションは、内容的に合わないのか、少なく抑えており、年齢的にも難しくなってきているのかもしれませんね。
それでも、あの年齢であれだけのアクションをスタント無しでやるのは、凄いと思う。
内容的には、北アイルランドとイングランドの政治的な紛争について、よく知らないので、そもそものテロの意義がどこにあるのか、勉強してないと、理解するのに難しい部分もありました。
ピアース・ブロスナンは、007の頃から比べると、いい歳のとりかたして、渋さが増しましたね。今回は1人だけ、貧乏クジを引いた内容でしたが…。(笑)
やっぱりジャッキーは、明るさが残る作品の方が似合っていると思います。
映画人ジャッキーの生き様や
こんなジャッキーもいいですね!
久々のジャッキー映画。
監督が007の人なので、展開もスピーディーで隙がない感じ。
今回はシリアスなストーリーで、ジャッキーに笑顔はないけど、深い悲しみや復讐に燃える闘志などがしっかり伝わる演技でした。正直、今回ジャッキーの演技力を見直したかも…
原作「チャイナマン」はベストセラーだそうで、ロンドンが舞台ですが、イギリスと北アイルランドとの政治的背景に予備知識あった方がよくわかると思います。
ピアース・ブロスナンがなかなかよかった。
いつも思うんですが、敵側のキャストや演技がショボかったり華がないと、主役の活躍にも説得力なくなるので、主役と同じくらい大切です!
ジャッキーのアクションは健在。65才でこれは本当にすごいこと!
ラストシーンのセリフ「龍を起こすことはない」が効きました。
頑張ってるのよ。
カンレキ・モンキー
娘が北アイルランド問題に関わる爆弾テロに巻き込まれたことから、復讐の為に犯人を追う父親の話。
ロンドンでレストランオーナーをしている60代で中国移民の英国人という主人公が、犯人を教えろとスコットランドヤードや北アイルランドの副首相に迫り食い下がりエスカレートして行く。
あらすじに書かれてしまっているけれど、時限式火炎瓶からはじまりなかなかなスキルを持っていると思っていたら話が進んで行くと元米軍特殊部隊員だという主人公。
虚ろな目をしつつあまりに見事な戦いっぷりにテンションが上がって思わず何度か笑ってしまった程。
シリアスだけど格好つけて透かした感じはなく堅苦しくみられるし、これでもかっていうぐらいにドロドロしたテロリストと周辺人物達に、これでもかっていうぐらいに有能な主人公に、わかりやすい復讐劇に、格闘、ドンパチ、ドッカン満載で非常に面白かった。
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