「乱暴(ランボー)なジャッキー」ザ・フォーリナー 復讐者 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
乱暴(ランボー)なジャッキー
舞台となるのはイギリス。北アイルランド問題が絡み、UDIというテロ組織による爆破テロによってクアンの愛娘が命を落としてしまう。ダンスの前には恋人を紹介しろよと苦笑いとも困惑の表情ともとれるジャッキーが笑顔を封印。やはり笑っちゃダメなんだな・・・こんな悲しい事件が起こるなんて。
UDIとか名乗っていた組織。多分架空の組織名だろうけど、カトリックと言ってたことからある程度想像できる(実はよく知らない)。そんな複雑な政治状況下に加えて、ロンドンとベルファストを行ったり来たりするものだから、かなり混乱しがちですが、中盤からはヘネシー副首相(ブロスナン)の別荘が中心となるのでわかりやすい。
ジャッキー演ずるクアンは料理店を店員ラムに任せて復讐の旅に出る。家族は過去にタイの海賊に殺されてた経緯もあり、もう失うものは何もない。そんな哀しい男の背中を見せてくれるジャッキー。一方、ブロスナンも30年前には過激派にいたことがある過去があり、彼の家族も残りわずか。愛人も作っていながら、実は利用されていただけという裏切りもあり、また呼び寄せた甥のショーンも妻と関係を持ちながら利用されていたという、二重三重となる裏切り劇が発覚したのだ。最後には誰も信用できなくなる彼もまた孤独な部分を魅せてくれた。
森の中では元米特殊部隊にいたことも明らかになったジャッキーが様々な罠を仕掛けていたり、爆弾についてやたらと詳しかったりする姿。ランボーっぽい展開の中にもカンフー技が炸裂していた。
2000年代からジャッキー作品はたまに泣かせてくれるラストを用意してくれていますが、今回もちょっと泣けた。ラムとの関係は単に店長と店員だったのだろうけど、全てを失ったジャッキーといい関係になることは想像に容易い。狙撃を中止した英断にも泣ける・・・