「宿泊する客の扱いを見せたいのか犯罪捜査を見せたいのか」マスカレード・ホテル Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
宿泊する客の扱いを見せたいのか犯罪捜査を見せたいのか
総合:70点 ( ストーリー:65点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
物語は宿泊施設のことかと思いきや警察が乗り込んできて、これは犯罪映画なのだとわかる。それなのにさんざん宿泊施設の客とのいざこざとの話と刑事と受付係のやり取りを延々と見せられ続けた後では、犯罪の事はもうどうでもよくなった。最終的には中盤までの話のいくつかが伏線で犯罪と繋がってくるのがわかるがそれまでが長いし、急に殺人事件の話に切り替えられてもすでにそれには興味を失いつつあったので、犯罪の謎解きをじっくりと考えようと思わなくなっていた。
話の筋は通っていたようだが強引さもあり、宿泊施設の営業の話の合間に途切れ途切れに出てくる犯罪の説明がどうにもとってつけたようで、実はこれはテレビドラマですでに犯罪捜査がある程度進んでいる状態の続きの映画作品なのかと疑ったくらい。接客から犯罪の話への転換が急すぎるように感じてついていけない。これならば犯罪とは関係が無い無駄な接客の話を削った方が良い。
曲そのものが悪いのではないが、場面が変わるたびに重厚な管弦楽の同じ音楽が同じように冒頭から流れるのは、音楽の使い方が下手だと思う。
長澤まさみは受付係らしさが出ていたが、木村拓哉はここでも刑事というより木村拓哉役を演じていた。松たか子は重要な役回りなのに、何歳の設定なのかよくわからないちぐはぐな役柄だった。
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