「文句がない訳じゃない…」マスカレード・ホテル キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
文句がない訳じゃない…
さすがは東野圭吾作品。お話はよくできてるという印象です。
役者さんも豪華。
ストーリーについては、「え?そんなことしない方が犯人にとって嫌疑がかからないのでは?」という事もありましたが、おそらく書籍の中ではちゃんと説明されているのでしょう。劇場版には時間など制限も多いです。ケチをつけるのは野暮。
そんなことより、あの「犯人」です。
私が個人的に「その俳優」が大好きなので、犯人として姿を現した時、「待ってました!」と応援しましたよ。それだけでも個人的には満足。
ただ、顧客とホテルマンとの「心温まるやり取り」が、この作品内でも結果的に「絶対的いい話」として取り上げられているのは、現実の会社員として正直なところなかなか複雑な部分もありました。
完全に「見返り」目当てやクレームそのものが目的のクレーム客も一定数存在し、そういう(本来、法的に明るい方が法の下で対応すべき)人達のために一般職員が悩み、心を傷めているのが現実です。
…ま、それは私の個人的環境に由来する感想ですし、それが物語上大きなトリックへの「仕掛け」のひとつでもあるので全てを否定するつもりもないのですが、このために心を傷付けられている企業人がいることを考えると、サービスのあるべき姿は少なくとも今の日本においてコレではない、という気がしてなりません。
映画の本筋とは多少ズレるのかも知れませんが、題名含めサービスのあり方をテーマに描いたミステリーとして一言書いておきたくなりました。
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