「☆☆☆★★ 原作読了済み。 原作はほぼ半分辺りまでが、【お客様は神...」マスカレード・ホテル 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
☆☆☆★★ 原作読了済み。 原作はほぼ半分辺りまでが、【お客様は神...
☆☆☆★★
原作読了済み。
原作はほぼ半分辺りまでが、【お客様は神様】とばかりに。【神様】からの無理難題を突き付けられながらも、尽くしに尽くすホテル従業員の悲哀が。ホテルマン に化けた刑事と、それを見守る優秀な女性従業員との、丁々発止のやり取りを中心として展開されて行く。
読んでいても「大変だなあ〜!」と、ついつい思ってしまうし。もしも、この仕事を自分がしていたら…等と、恐ろしい想像を膨らませてしまう。
ここが、この原作の面白いところ…だったのだが!
…問題は、原作の後半部分で!徐々に犯人像が割れて来る辺りから…。
如何にもネット時代を反映し。ネットで知り合った者同士が、顔を合わせずに殺人を犯す。まさに、時代を象徴するかの様な完全犯罪を成立させようとする。
異様な連続殺人を装いながらも実は…とゆうストーリー展開。
ネットで知り合っただけの人同士での殺人事件は、確かに過去にも起きたとは思うのだけれど…。
読んでいて、「何でまたこんな穴だらけの計画が…」と思ってしまう。
原作では、どうにかこうにか物凄いキレ者で、頭の良い犯人像として書かれてはいたが…。
全く面識の無い者同士が【確実に《その日・その場所で》人殺しを行う】…のを確信して、次の殺人に移行しているのがもう何とも(ㆀ˘・з・˘)
そして最後に分かる真犯人の人物像!
「過去に受けた恨みは忘れない!」とばかりに…。
本当にその様な気持ちになるんでしょうか?
まあ!こちらは男なので、今ひとつ分からないところではありますが。
例えなったにせよ。もっと簡単に第4の殺人は出来るんじゃないの?とは思うが…。
一応、殺害方法から身元が割れてしまうから…って事だったが。
その様に、原作自体は前半は面白く。逆に、後半がちょっと…と、思わずにはいられなかった。
映画は殆ど原作通りに進んで行く。
原作に描かれているあるあるエピソードは殆ど網羅。そんな中でのあるあるが、事件解決のヒントとなったり。実は真相そのものだったり…も。
その中でも。原作では中盤に起こるバスローブ事件を、映画の初っ端に持って来て。新田の刑事としてのキレ者振りを表す変更点はとても良い。
他にも、題名になっている《マスカレード》
ホテルにやって来るお客様は、誰でも仮面を被っている
この辺りは、原作だけを読んでいても。あまりピンとは来ないが、映画ではその点は強調していた。
…逆に、音楽を含めて。し過ぎていた…とも言えるのだけれど( ´Д`)
そして大事な点!
これは木村・長澤。2人によるバディムービーで有るところ。
映画の途中で、小日向文世は長澤まさみに言う。
「今は山岸さんが新田さんの相棒なんですね!」
それをはっきりと打ち出しているのは良かったところ。
更にもう1つ。最も重要なところが!
犯人の存在と、お客様の安全を思い。長澤が総支配人に伝えようとするが…。
この時の「ホテルマンを辞める!」「刑事を辞める!」との2人の想い。
原作を読んだ時に「これは或る意味ラブシーンなのでは?」…と思った。
タイトルバックの画を見ても明らかな様に。反目していた男女が、お互いのスキルの高さを尊重し。やがては単なる《相棒》から、次第に惹かれ合って行く。そんな話に思えたのだった。(ただ、年齢的に考えて。木村拓哉が恋愛映画に主演するのは難しくなって来ているのも、再確認出来るのだけど。)
映画でも、この場面がやはり最重要シーンと思ったのだろう。この場面が、この映画での白眉と言えるシーンになっていた。
…と褒めつつも。どうしてもフジテレビの(特に『HERO』辺り)ドラマだな〜…と、貶したくなって来る辺りもチラホラと見受けられる。(-.-;)
美術スタッフさん達の仕事振りや。グルングルン廻り捲る撮影等は、(好き嫌いは別にして)一見の価値は有りますが…何でしょうね〜!何処か安っぽい感覚なんですよね〜(u_u)
それにしても、ジャニーズさんの苦労たるや心中察するに余りある。
最早、歌を忘れたカナリヤ…と言っては言い過ぎなのだろうけれど。今の時代、テレビドラマでの高視聴率はなかなか望めない。
鉱脈を映画に求め。(この原作なら続編も有る)少なくとも2〜3年で、5〜6本の主演映画を製作し続けなければならないのだから。
しかも、それは彼1人だけではない訳で…。(EXILE系のライバルも多いしね〜)
ところで、生瀬が、木村拓哉に言い放つ「ちょっと待てよ!」の一言と。総支配人に話に行こうとする長澤を、本人自ら「待てって!」と言う台詞。
ここ笑うとこですね。劇場内シーンとしてたけど( ´_ゝ`)
それと前田・勝地の、『食べる女』に続く夫婦共稼ぎ感もね〜( ´Д`)
2019年1月21日 TOHOシネマズ日比谷/スクリーン1