「言うほどクズじゃない」パシフィック・リム アップライジング eigafanさんの映画レビュー(感想・評価)
言うほどクズじゃない
みんなと同じ前作の大ファン。
今回の続編は、前作に思い入れががある人ほど酷評したくなると思う。だってこの続編に6年も待たされたんだから。
自分の感想としては、前作には及ばないけど、酷評する程クズ映画じゃなかった。前作のファンなのに、誰かの酷評を鵜呑みにして見ないのは勿体ないかも。
ただ、正直気になるところは沢山あって、良い部分を覆ってしまっている。以下、気になったところ。
・「チャイナ・マネーに冒されたパシフィック・リム」という感じ。ただ、制作会社のレジェンダリーピクチャーズは今や中国の会社だから、中国人を多用するのは致し方ない(納得はしてないけど)。
ただし、防衛軍本部でする司令官やスタッフの会話がなぜ中国語なんだよ。軍の人間は世界中から来た多国籍メンバーなんだからそこは英語だろ。
・そもそも、一連の事件の原因がガイズラー博士と知り激萎えした。見終わってスカッとしないのはきっとこのせいだ。
・イェーガーが怪獣と戦うシーンが少なすぎ。東京決戦だけかよ…。
・パイロットは、なぜ10代くらいの子供ばかりなのか。主人公と相棒以外に大人のパイロットがいない。前作から10年も経ってあんなガキしかパイロット候補生がいないのはおかしい。
・ジプシーの装備が10年前となんら変わってない。新しい機能ないもんかね。
・主人公をはじめ登場人物みんなキャラが薄くて感情移入できない。これは致命的。みんなの性格・個性がないし、誰がどのイェーガーに乗ってるのかも良く分からない。東京決戦で1人死んでしまうけど、それが誰かも分からない。
・「お前らは家族だ!」とか言いながら、イェーガー同士の気持ちのいい連携プレーがほとんどない。
・パイロット同士の交流がほとんどない。訓練生ならもっと訓練シーン出せよ!格闘技や柔術のシーンでもいいし、メンタルを鍛えるシーンでもいいし。パイロットのオフショットみたいなシーンが多くて、それにバカっぽいやつもいて、なんでこんな連中に地球の運命を委ねているのか意味不明。
・真剣佑の登場シーンは、トータルで30秒くらい(笑)せっかくまともな英語ができる若手俳優なのに。同じ日本人として、もう少し見どころが欲しかった。
・最後、ジプシーが再起動して反撃するときは大音量でテーマ曲かけて欲しかった!!!!
と、いろいろ書いたけど、やっぱり気になるシーンの方が記憶に残ってしまった。
あとプロデューサーのデルトロが日本リスペクトな人だから、決戦の地を日本に選んだのは流石、とは思う。だから変な日本描写にはもう何も言わない。ハリウッドが描く不思議な日本描写は多少マシにはなってるけと、2018年になってもまだまだダメ。でも、製作陣はそんなこと大して気にしてないんだろう。最近はそんな不思議な日本描写も面白く思えてきたから、まぁそこはいいや。
前作はこれからも何度も見るのだろうけど、今作はもういいかな。でも決してクズ映画じゃない。ファンなら一度は見るべきだと思った。