「愛は死の彷徨から救う。」ザ・マウンテン 決死のサバイバル21日間 ku-chanさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0愛は死の彷徨から救う。

2020年3月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

2017年の映画で、ナザレ出身のアサド監督の作品だ。中東をテーマにあつかっていないので、彼が監督していると思えなかったが、初めの方にすぐ軽い冗談が出てくるので、これはアサド監督らしいと思った。それに、シンプルな内容だが複雑な人間の心の動きをテーマにしているところが彼の作品の特徴かもしれない。

ヘリコプターが落下して、二人が(アレックス、ベン)がお互いに無事だとわかって、食物がどれだけあるかと。クッキー、アーモンド、とベンがリストを挙げている時、アレックスが『どんなんクッキーがあるの』とベン(イドリス・エルバ )に。ベンは『なに?』って。この冗談から始まってそれらはいくつかある。生死がかかっていても、まだ、先を見ることができていないからだが、こういう冗談を言える環境が好き。

あと、アレックス(Kate Winslet)が 最後の残りのキャンディ(?)を『私は食べられない、あなたも(いぬ)食べられないよ。』とベンにここを抜けられそうな道を探してもらってのに、私たちだけが、これをたべることができないと、犬に言い聞かせるところが好き。このクッキーもキャンディもこの映画で、私にとって意味がある。映画にはないが、下界に戻って、これと同じのクッキーとキャンディを見たら、お互いに分け合いたくなるのに違いないから。

喧嘩し、自分の意見を言い合い、ぶつかり合っても、お互いに助け合い、相手を思いあっていくというに二人が変わっていくシーンも好き。どこのシーンも好きなんだけど、ベンがシャワーを浴びながら泣くシーン。妻、また、好きになったアレックス、を失うのが辛くて泣くシーン。それも、雪山では暖かいシャワーなんて浴びられなかったのに、そのシャワーは感謝感激のシャワーなはずなのに、そこで泣く。

アレックスの結婚相手が、『あなたの一部が欠けても愛している』というシーンは、生死を彷徨う困難をベンとともに乗り越えたから、心もベンに傾いてしまったのを承知している言葉だと思った。

下界に戻り、二人の心をまた強く結びつけたのはアレックスが写したベンの写真など。アレックスは結婚したと思い、自分の気持ちを押さえつけていたベンの心が爆発して電話をかける。ベンはまた愛を失いたくないから、アレックスを愛することに躊躇している。この様子がベンの目によく表れている。

愛は二人を死の彷徨いのなかから救った。最後の曲は:Dusk Till Dawn

イドリス・エルバ がコロナウィルスにかかったとトイッターで皆に知らせた。でも、症状が全く出てなく元気だと。こういうコロナウィルスにかかる人が多いから要注意。

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