「ジュディ・デンチの魅力がぎっしり」ヴィクトリア女王 最期の秘密 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
ジュディ・デンチの魅力がぎっしり
19世紀末、インドのアーグラで刑務所に勤める記録係アブドゥルはヴィクトリア女王にコインを献上する任務を与えられ渡英する。女王と目を合わせてはいけないと厳重に注意されていたにも関わらず女王と目を合わせてしまったアブドゥルは厳しく叱責されるがそれがきっかけで女王に気に入られて急遽使用人となる。二人はやがて友情を感じるようになるが、異邦人であるアブドゥルが重用されることを側近や親族達は苦々しく思っておらず、様々な諍いが巻き起こる。
圧倒的にゴージャスな世界観の中でのドラマですが実はかなり軽快なコメディ。長きに渡る治世に疲れ果てた心情や前使用人のジョン・ブラウンへの思いを吐露するしおらしさを見せたかと思いきや、少女のような笑顔を見せる女王をジュディ・デンチがキュートに演じています。『あなたを抱きしめる日まで』の主人公、壮絶な人生を送ったにも拘らず茶目っ気たっぷりのお婆ちゃんフィロミナを彷彿とさせる演技でしたが、監督が同じスティーヴン・フリアーズと知って納得。終盤一転して訪れる静謐とした幕引きも深い余韻が残る美しい作品でした。
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