「ありきたりなラブストーリーだと思ったら大間違いだった」あの頃、君を追いかけた Aone145さんの映画レビュー(感想・評価)
ありきたりなラブストーリーだと思ったら大間違いだった
美人だが生真面目でお節介な早瀬(齋藤飛鳥)を最初は疎ましく思っていた水島(山田裕貴)だが、頭の良い彼女のお節介により面倒くさがりながらも水島は勉学に励み点数を上げる。
水島自身と父親が裸族で肌色率が高いのが謎でシュール。
高校生活を馬鹿らしく阿呆らしいことに夢中になって捧げている水島の姿が、青春を見ているこちら側の近くに感じさせる良い要素となっている。
勉強を通して徐々に距離を縮め仲良くなっていく水島と早瀬。
早瀬とのテストでの勝負に負けて、約束通り坊主になった水島を無邪気に笑う姿と、勝負に勝ったにも関わらず負けた際に掲げられていた公約のポニーテールになった早瀬がとにかく可愛い。
高校卒業後周りの仲間たちが夢に向かって進んでいく中、水島と早瀬も各々の道に進んでいく。
夏休みに再会し楽しく過ごす二人。
早瀬は、水島が好きになってくれた自分は美化されたもので、ほんとの自分は平凡だと言う。
水島は早瀬の心の内が分からない自分自身を情けなく思い、早瀬が自分のことをどう思っているのか、答えようとした早瀬の言葉を遮った。
大人になるにつれて男女での現実との向き合い方が大きく変わり、格闘技でボコボコにされた水島を見た早瀬は水島を幼稚だと理解できなくなったことで、水島と早瀬は離れる。
2年の時が過ぎ水島の心にはぽっかりと穴が空いたまま。
そんな時に起きた大きな地震をきっかけに二人は2年振りに電話をする。
そして早瀬はここで初めて、水島と付き合わなかった理由を打ち明け「恋してくれてありがとう」と感謝を告げる。
きっと水島の人生の中で早瀬は一番素敵な女性だと思うし、彼女との思い出は一生胸に刻まれていくんだと思う。
変に着飾ることなく大袈裟でもない、そして無理に主人公とヒロインが結ばれる結末にしないことで、ただただ青春と思い出が眩しく輝いて、現実的な青春物語に微笑ましくなりました。