「とてもとても、もどかしい」あの頃、君を追いかけた やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)
とてもとても、もどかしい
台湾版は観ていません。
私、もどかしい映画が結構好きです。
その私でも、もどかし過ぎるんじゃないかと思う程、この映画もどかしいです。
そして、もどかしいまま終わってしまいました。
なのに、不思議と後味が悪くないんです。何故なんでしょうか。
この映画、序盤から結構笑わせてくれます。
でも、ちょっとおバカな男子高校生あるある的な笑いなので、もどかしさを邪魔しない。
観てる人にも、心当たりがありそうな。
この明るい雰囲気が、後味を良くしてくれている一つの要素なのかもしれません。
それと、この映画の一番の特徴だと思ったのが、二人の間に大きな障害がない。
恋愛映画って、二人の間に何らかの障害がある事が多いじゃないですか。
でも、この映画の二人はタイミングが合うか、少しの勇気が有れば付き合っていたと、観ている私も思うし、本人達も思っている。
そこが、もの凄くもどかしい。
では、凄くもどかしく終わったのに、なんで後味が良いのか。
それは、思い出が綺麗に残ったからじゃないかなと。
二人が積み上げて来たものが、汚れる事無く綺麗に残った。
観ている側も、心の中の綺麗な思い出に重ね合わせる事が出来るのかなと。
綺麗な思い出なら、後味が悪くなるはずがないですよね。
そもそも、この映画自体が綺麗な思い出の世界なのかも。
いつも脇で色んな役をこなす山田さん、主役だとより力が発揮されますね。
そして、齋藤さん横顔が絵になりますね。油絵と言うより水彩画な感じの。
この映画、素敵な映画だと思います。