「観るたびに後味がかわる映画」あの頃、君を追いかけた 奇想衒さんの映画レビュー(感想・評価)
観るたびに後味がかわる映画
クリックして本文を読む
パンフレットにあった長谷川康夫監督のインタビューで、違和のある世界観の謎は解けた。
あそこは日本でも日本以外でもないのだ。
過去は現在の裏世界。
「今」を形成するために破棄された思いの残骸であふれかえっている。
「あの頃」の記憶の操作は自由自在。
頃良い残骸を選って美化し、あの頃は素晴らしかったと懐古するもよし。
たどり着いた「今」を肯定するために、残骸を蹴り上げながら、あの頃は最低最悪だったと罵るもよし。
この映画の世界は捉え方によっては100が100とも水島浩介の妄想世界(パラレルワールド)。
テストの点数も、真愛とのデートももしかするともしかするかもしれない。
現実とパラレルワールドの境界線を変えてみたり、反転させたりすることで、観るたびに後味のかわる映画。
幾度も楽しめる映画だと感嘆した。
コメントする