あさがおと加瀬さん。のレビュー・感想・評価
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永遠にこの時を過ごしていたい…しかし時は進んでゆく。
内気な緑化委員 山田結衣と
陸上部のエースでボーイッシュ 加瀬友香という
正反対の二人の淡い恋模様を描いた作品。
原作未読ながら百合に関心があり主演が佐倉綾音さんと
いうことで先日2回目の劇場鑑賞を終えてきました。
高校2年終盤の保健室での告白、3年のクラス発表
自宅訪問、沖縄修学旅行の夏、進路決断の秋を
58分にまとめる技量に驚かされながら、
感情を美麗な背景や演出で表現されていたのがとても印象的で
喜びに繋がる「シャボン玉」や沈んだ感情を強く表すために
校舎に濃い影を落としたり、異常に夕日を輝かせたり
1シーン1シーンのこだわりをひしひしと感じました。
互いに互いを思う故に遠慮し
過ごしていた境遇や環境の違いから
2人の思想や行動に差が生じ、度々すれ違ってしまう。
過ちがあるからこそ青春であり、
そんなやりとりですらとても愛らしく思えました。
俗にいう肉食系で男勝りだけど芯は純粋な乙女の加瀬さんと
好き過ぎて溢れる思いを言葉に出来ない山田…。
スクリーンに釘付けになって気がつくとエンドロール。
主題歌の「明日への扉」
カバーのはずが、まるでこの作品ために
作られたのではないかと錯覚する歌詞で
本当にどこかのカラオケで歌っているのではないか?という
リアルとの地続き感を感じる選曲センスに脱帽しました。
……本当に最後まで抜かりがない。
冒頭で原作未読と書きましたが今では
パンフレットはもちろん原作単行本、カバーソング集や
劇場版Blu-rayを購入するほどのファンになりました。
幸せな作品との出会いに感謝しつつ
今後たくさんの「加瀬さんシリーズ」が
アニメ化されることを願っています。
恋をした時の輝いてる世界。
「わたし、加瀬さんと付き合っています!」
まず「付き合ってるの!?」となった冒頭。(原作は未読の人間です。)
てっきり女子高生の2人が付き合うまでのじれったい恋模様を描いてるのかと思いきや、付き合ってからのみずみずしい心の動きを描いている作品だった。
そして全体的に山田ちゃん視点だからもあるのか世界がきらきらしていて輝いていて見えて、雰囲気も可愛らしくほほえましく観られる作品だった。毒気はなし。
作画もとてもきれい。メインふたりのアップの画が結構あるんだけど、感情をうつした瞳がとても美しくて印象的だった。
しかし、加瀬さんは挙動が男前かつ思春期の少年のようだったので(でもそれも含め加瀬さんも可愛いんだけど)、女の子として山田ちゃんを好きなのか、中身が男の子寄りで山田ちゃんを好きなのか、個人的には気になったところ(中身が男の子寄りなら百合ってよりは青春ロマンスだね)。
なんとなーく、山田ちゃんと加瀬さんの描き方が男性が作った作品っぽいなと思って観てたけど、やはり脚本も監督も男性だった。
エンドロール時点で、タイトルの「あさがお」は何だったんだ?と思ったけど、最後の最後で回収されてました。途中まで山田ちゃんの下の名前が「あさがお」だと思い込んでいたのは秘密です。
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