劇場公開日 2018年7月6日

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「単なる「男対女」の構図に当てはめない巧みな演出に脱帽」バトル・オブ・ザ・セクシーズ セッションさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0単なる「男対女」の構図に当てはめない巧みな演出に脱帽

2020年6月9日
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1973年、女子テニス選手ビリー・ジーン・キングと、当時55歳になっていた往年の男子テニス選手ボビー・リッグスの間で行われた「男女対抗試合」を描いた本作。

『リトル・ミス・サンシャイン』『ルビー・スパークス』のジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス監督は、この物語を単純な「男対女」という構図に当てはめず、女性達が平等を求めて奮闘する様子をみずみずしく描いてみせました。夫婦監督だからこその公平な視点とバランス感覚が素晴らしく、当にこの企画にはうってつけの人材でした。

「女性は重圧に弱く、競争には向かない」と決めつける男達に真っ向から反論し、自分の試合が世界を変えることを信じて黙々と練習を積み重ねるビリー・ジーンとは対照的に、試合に向けてまともに練習せず、大勢の女性を使って「男性至上主義」をアピールするボビーの姿は本当に悪趣味なのですが、彼自身の憎めない人柄を見事に体現するスティーブ・カレルのユーモアも相まって爆笑させられてしまいます。

もちろんその行動自体は褒められたものではないものの、シニアになって試合で稼げなくなり、ギャンブル中毒で妻からも見放された彼が、父としての威厳、妻からの信頼を取り戻すために奮闘する姿には、感情移入せざるを得ません。

試合の結果についてはご自分の目で確かめていただきたいのですが、テニスという世界的に人気のあるスポーツだからこその、この試合をする意味、そしてそれらの活動が現在の女性プレイヤーの活躍に繋がっていると思うと、彼女達の貢献には大きな賞賛と感謝を送りたくなります。

エマ・ストーン演じるビリー・ジーンと美容師のマリリンが、出会った瞬間に惹かれ合ってしまうシーンの美しさ、彼女達の関係を知りながら、ビリー・ジーンを思いやり、彼女の選手生命を優先する夫ラリーなど、語りたいことはたくさんあるのですが、最後にもう一つ取り上げたいのは、ゲイの男性でテニスウェアデザイナーのテッドが、ビリー・ジーンと二人で向かい合うEDシーン。

彼を演じるのは、『チョコレート・ドーナツ』にて、1人の少年を必死に守ろうとするゲイの男性を演じたアラン・カミングですが、彼の「いつか、自由に人を愛せる日が来る」と言い聞かせるように語る姿には思わず涙腺が緩んでしまいます。未だそのような時代が来たとは言い難い現代の私達も、彼の夢が叶う日を願わずにはいられないはずです。

as
asさんのコメント
2020年6月13日

R♪さん

お褒めいただき光栄です‼️
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします🙇‍♂️

as
R♪さんのコメント
2020年6月13日

フォローありがとうございます✨

レビューが細かくてすごいですね😃
これからもよろしくお願いします(*^^*)

R♪