「もはや壮大なる神話」アバター ファイヤー・アンド・アッシュ さよならさんの映画レビュー(感想・評価)
もはや壮大なる神話
4DX+3Dで鑑賞。
正直、映画というよりアトラクション。
体力も感受性もかなり削られる。
前作を観ていなくても、
世界観の厚みと映像の力で「なんとなく分かってしまう」のはさすが。
ただし、物語は明確に続き物なので、
背景を知らないと置いていかれる感覚はある。
印象として一番強かったのは、
これは近未来SFでありながら、
異次元の神話を観ているような作品だということ。
文化の層が非常に重なっていて、
海洋文化(鯨の文身、家族の結びつき、弔いの歌)には
ハワイやポリネシア、ミクロネシアを感じる一方、
対立する部族には
朱に染めた身体や血の高揚、祭祀的な踊りがあり、アフリカ的でもある。
海の生き物たちは
クラーケンや人魚姫を思わせるような、
どこか北欧神話的な気配をまとい、
「何かに似ているが、どれでもない」
並行世界の生命として描かれていた。
生き物の造形も秀逸で、
虫のようで、魚のようで、爬虫類のようでもあり、
空を飛ぶ存在ですら、どこか泳いでいるように見える。
人間ですら、鱗や色彩を持ち、
特別な存在ではなく、生命の連なりの一部として配置されている。
誰が主人公なのか分からなくなるほど、
それぞれに物語があり、
重厚で、情報量が多い。
感情を直接揺さぶるタイプではないので、
泣くことはなかった。
でも確実に、静かに削られる。
印象的だったのは、
母が亡くなった息子のために歌う弔いの歌。
スピリチュアルで、
どこか『ライオン・キング』を思わせる場面だった。
また、
命が次へと渡されていく描写――
いのちの「受け渡し」が、はっきりと描かれている。
その点は、強く心に残った。
途中までは
「もう一度観てもいいかもしれない」
と思いながら観ていたが、
終わった瞬間には
「もう一回は無理だな」と思った。
体験としては圧倒的。
ただし、軽い気持ちで観る映画ではない。
重層的で、神話的で、
好き嫌いは結構分かれそうではある。
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